ラノベ感想:ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Each Stories

読書,スニーカー文庫,ひげひろ,モラトリアム,ライトノベル,社畜とJK

本編は5巻で完結していますが、サイドストーリーとしてこの「Each Stories」と「Another Side Story」の三島柚葉編と後藤愛依梨編の上巻が刊行済み。後藤編の下巻は2024年5月の予定だそう。基本、外伝は読まないのですが、Kindle Unlimited対象にEach StoriesとAnother Side Storyが追加されたので、この機会に読んでみました。

あらすじ

本編から少し離れ、主に吉田の周囲の人物に焦点を当てた短編集。書き下ろしもありますが、過去にさまざまな媒体に収録された短編を含むので時間軸はバラバラかと思います。ただ、沙優が吉田のところに転がり込んでからある程度経った時期から、地元に戻る直前あたりまでかと思われます。

様々な想いの詰まった短編集

吉田や沙優を取り巻く登場人物たちの日常や想いが描かれた短編集。本編の裏でキャラクターたちが何を考えていたのか。三島のめんどくささとか、後藤さんの別の意味でのめんどくささとか。

中でも一番気に入ったのが、あさみが物語を書く気持ちを沙優に伝えた「小説」です。電車内で読んでいてちょっとやばかったです。プロローグだけ描かれたあさみの物語は、まさに「ひげそる」そのもの。「出会いで救われる」話。まあ、こんな都合のよい出会いは現実にはなかなかないでしょうけど、物語の中でくらいそれがあってもよいのではないかと。

もちろん、色々な意味で沙優が救われた話ではありますが、「ひげそる」って吉田もすごく救われているのですよね。沙優は本編で描かれているような家庭の事情や不幸な出来事で傷付き、逃げ出した挙句、吉田と出会うことで救われた。その当の吉田は別に何か具体的な問題とかはなかったですが、それでも沙優と出会うことで何かが変わり、結果、吉田もまた救われたと感じます。

そんな出会いが現実にもあればよかったのですが。

今後

とりあえず、Another Side Storyの三島柚葉編は読むつもりですが、後藤愛依梨編をどうするか。上巻まではUnlimited対象なのですが、下巻は刊行自体が1年先の上、それがUnlimited対象になるのはいつになるやら。そうなると、上巻を読んだものの下巻を読むのがだいぶ先になってしまうので、とりあえず三島編を読んで1年間様子見でしょうか。

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既刊感想