ラノベ感想:蜘蛛ですが、なにか?7
異世界最大の迷宮上層部で蜘蛛に転生した「私」。迷宮を出て、魔王とも一時停戦し、転生者である吸血鬼とともに旅を続けていたが成り行きで古代遺跡兵器を起動させてしまう。なし崩しで対古代兵器共同戦線を張ることになるが、そこは油断できるわけもなく…。
あらすじ
魔王、転生者である吸血鬼、その眷属とともに旅を続ける白。サリエーラ国の首都から魔族領へ向かう途中、空龍の支配する荒野を縦断することになるが、成り行きで地中深くに埋もれていた古代兵器を起動してしまう。
事態の重大さに管理者ギュリエを呼び出し、凸凹パーティを遠くから監視していた真言教教皇とエルフの長まで駆けつけて、対古代兵器共同戦線を張ることに。普通ならば強大な敵を前に一時的に手を取り合って撃退するところですが、ポティマスにそんな気はあまりなく、隙あらば致命的なトラップを仕掛ける状況で、世界と蜘蛛子さんの明日はどっちだ?
バトル、駆け引き、裏切りの第7巻
聖人魔王と〇〇なエルフの長
普通なら逆なんですが、下心は多少ありつつも年長者で常識人な魔王と、作中で〇〇だの〇〇だの罵られまくるエルフの長、ポティマス。まあ、ポティマス曰く貧乏くじを引いた小娘の魔王は、元々魔王になるつもりはなかったようで。この世界の「勇者」と「魔王」は何らかの基準によってシステムによって役割を振られるようですから。そういう意味では、前の方の巻の魔族軍団長会議で「なんであいつが魔王なんだ」と言われても、魔王からすればなりたくてなったんじゃねーよ、と言いたくなります。
一方のエルフの長はなりたくてなったというか、自分のためにエルフ族を作ったようです。作中でその目的は明かされていませんが、他の登場人物たちの言っていることをまとめるとロクでもない理由のようです。まあ、真相はまだ明かされてないのでなんとも言えませんけど。
苦労人の教皇
そんな名実ともに人外な連中に挟まれて、手持ちの貴重な戦力を消耗戦ですり減らさざる得ない立場なのが教皇。真言教のためではなく人族のために信者を騙してでも最終的な勝利=生き残りを図る苦労人。まあ、騙される信者としては溜まったものじゃないですが。そういう意味では真言教に対立している人たちはある意味幸せなのかもしれません。
印象がどんどん変わる風龍ヒュバン
荒野でチンピラ風といえば、某世紀末救世主伝説なマンガでヒャッハーとかやってそうなモブキャラみたいですが、風龍トップのヒュバンさん。威厳のかけらもなくギュリエの威をかる何とやらな登場でしたが、割といいやつ。まあ、見せ場を人外規格外の魔王さんに潰されてましたけど。
それでも生き残ったのでよしとしましょう。もっとも、生き残ってしまったのでせっかく荒野の浄化の仕事が終わったのに、新たな仕事に追われる羽目になりましたけど。トップが黒だけになんともブラック企業の社畜です。
相変わらずマイペースの蜘蛛子さん
誕生当時から比べればとっても強くなって生命の危機はあまり感じなくなってきた蜘蛛子さんこと白。蜘蛛子さんと呼べるのも今巻まで。
もっとも、のべつ生命の危機という状況からは脱したものの、ポティマスに目をつけられているので所々生命の危機に直面します。今巻でさらに怒りに油どころかガソリンを注ぐことになったので、今後も大変そうです。
作品帯でもメンタル最強女子とされていますが、元は日本での女子高生の記憶を持つ転生者というだけの一般枠ですから、あの面々の中にいたら胃に穴が開きそうです。
別の意味で蜘蛛子さんなパペットタラテクト4姉妹もだいぶキャラが立ってきて面白くなってきました。今回、魔王配下の蜘蛛軍団は大きな被害はなかったですが、その立役者がアエルです。いや、名前は明言されてませんが、おそらくちゃっかりさんのアエルかと思います。
さて、一連の騒動の成り行きと、Dの干渉によってついに秘密が明らかになった上に、人外連中の仲間入りとあいなってしまった白ちゃん。詳細は7巻を読んで確かめてください。まあ、存在はすごいことになりましたが、結果的に(一時的に)弱体化しているので、次はそこですね。あと、岡ちゃんこと先生との絡みがあるようなので、8巻も楽しみです。
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