ラノベ感想:蜘蛛ですが、なにか?9
異世界最大の迷宮上層部で蜘蛛に転生した「私」。人族の領土を越えて魔族領に到着した一行。ひょんなことからスキルの一部が復活した白と、密かにオーガ対策を練っていたソフィアの元に、鬼人の扱いに困ったギュリエが現れる。ソフィアと鬼人の再戦の行方は?そして、転移ができるようになった白が訪れた先は…。
あらすじ
魔の山脈を越え魔族領に帰還した魔王、白、ソフィア、メラゾフィスの一行。火事場の馬鹿力で糸を操れるようになった白ちゃんは、怪我の功名で他のスキルも一部使えるようになった。ただし、システムがないので属性に関わるようなスキルは原則として使えません。
魔王は城に戻ったものの、ゆくゆく学園で教育を受けるソフィアと、スキル練習中の白は魔族軍第幹部の屋敷に居候。そこでグータラ生活をしていた白の元に、管理者ギュリエが現れる。それは、かの鬼人の扱いに困っているのでなんとかして欲しい、というものだった。
因果が収束する第9巻
蜘蛛子さんが発端となった悲劇で生まれた鬼人と白、ソフィアの決戦。もちろん、3人ともそんなことは知りません。もっとも、その蜘蛛子さんの行動もシステムによるスキルの影響が大きいですし、そもそも論では転生者がいなければこんなことは起きず、その原因になったのは先先代の勇者と魔王であり、管理者Dだという大きな因果。まあ、他の転生者はここまで影響はないので、ギュリエが蜘蛛子さんを危険視するのも仕方ないとも言えます。もっとも、転生者に関しては蜘蛛子さんの影響で助かっている人たちもいるので、一概に蜘蛛子さんが悪いとも言えません。
運命に弄ばれたラースについても、勇者パートラストでの登場時はだいぶ強くなっていたので、さらに精進するのでしょう。彼の場合、ここまでは真言教暗部の誘導で魔王一行を襲おうとしていたエルフ集団にぶつけられたくらいで直接的なエルフとの関わりはまだないですが、勇者パートでの感じではこれから何かあるのでしょうか。もっとも、悲劇の片棒の一端はポティマスが絡んでいたので、そこが対エルフ感情に影響しているのかもしれません。それを言うと、ポティマスに転生者の存在を伝えて保護を求めた先生のせいでもあるのですが。もっとも、ブイリムスの子供の件がなくても、ラースの武器で行動範囲を広げたゴブリン達との争いは避けられなかったので、エルフの関与は限定的かもしれません。
そして、やはり見所は最後の対面シーン。Dとして活動している時はあまりコミュ障には見えないのですが、蜘蛛子さんが落ち着いていたこともあってか静かな対面。決定的な事実を突きつけられていたものの、あらかじめ予想していたこともあり、暴発することはなかったようです。これがシュンや仲間達とかだったらこうはならなかったでしょうけど。
まあ、あそこであんな蜘蛛子さんの本音が出てくるとは思っていませんでしたけど。
そして、D。なんでもできてしまうから観察だけにしているというのは、自分にはできません。別になんでもはできませんが、できることは自分でやってしまうので。要は他人を信用できないので。まあ、あんななんでもありの超越的な立場になって長いこと存在すればああなってしまうのかもしれません。長い時を存在する神々が暇を持て余して(人間などには)迷惑なことをする物語は山のようにありますから。
これからの蜘蛛子さん
今巻ラストでポティマスと通じている(というか利用されている)魔族がいましたので、次巻はそこですか。スキルがいろいろ増えた蜘蛛子さんの暗躍が見られそうです。
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