ラノベ感想:リビルドワールド I<下> 無理無茶無謀

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スラム生まれの孤児アキラは決死の覚悟で向かった「遺跡」で出会ったアルファと契約。彼女の依頼を果たすためにハンターとして彼女のサポートの下で実績を積む。そんな実績稼ぎの一環で参加した都市周辺巡回の最中、突然の救援依頼にアキラは一人で向かうことに。経験も実績も金もないアキラがアルファのサポートの下で無理無茶無謀な賭けに出る。

あらすじ

「遺跡」探索中にモンスターに見つかった商人との共闘してなんとか退けたアキラは遺物である回復薬の多用で意識を失い、救援に駆けつけたエレナとサラに助けられる。そして、彼女たちを以前救ったのが自分であることを知られてしまう。

そんな中戦力強化のために強化服を買ったアキラは資金稼ぎのためにハンターオフィスの都市巡回依頼を受け、初めて他のハンターたちと行動する。他人との付き合い方を知らないアキラの態度は周囲のハンターに誤解を招いてしまう。そして、その巡回の最中、都市からの救援要請が入るが多数決で都市に戻ることになる。しかし、そこにエレナとサラがいるかもしれないと知ったアキラは一人激戦の最中に向かうことに。

それは、知識も経験もスキルも足りないアキラには無理無茶無謀な賭けだった…。

アルファのサポート下で覚悟担当アキラの試練は続く

アキラの行動原理

作中、おそらく高度なAIか何かと思われるアルファですら疑問を抱くアキラの行動原理。あるいは信念とかポリシーと言ってもいいかもしれません。正直、読者である自分にも明確なことは分かりません。勝手に想像するだけです。簡単にまとめてみました。

  • 殺人への忌避感はない(スラムでは人の命の価値は低く、そもそも自分も殺されかけてハンターになったため?)
  • 思春期くらいのはずだが花より団子(アルファのことは美人だと思うがそれだけ、シェリルの色仕掛けには無反応。唯一、シズカには多少反応を見せるくらい)
  • 別に危険に自ら突っ込みたいわけでもないが、結果的に自ら突っ込む
  • 他人に対する距離感が歪(ほとんどの他人には無関心だが、一部の人たちには執着する)
    • どうやら罪悪感を感じるとその後ろめたさからか距離が近くなる模様(シズカ、エレナとサラ)
    • 自分を心配してくれたり好意を寄せる人には好意で返すとも取れるが、アルファ、シェリルとシズカ、エレナとサラでは、明らかに温度差がある

まあ、なんとなく思いついたものを並べたのでこれが正しいか分かりませんし、今後、ハンターとして成り上がっていく過程で心境の変化もあるかもしれません。

とにかく他人との付き合い方とか距離感の取り方が苦手なので、今巻でも同世代グループのカツヤに一方的に対抗心を持たれたりとか、それが厄介事の種にもなっているのですが、当人は自覚がないので、そのつもりがなくても無茶な方向に流されるという…。

アルファの行動原理

一方のアルファは、すでに500回近く「依頼」達成のために似た様なことをしていることが暗示されています。そして、その目的を達成するためにいかにアキラを「誘導」するかを常に試行錯誤しています。まあ、AIものの常として、そんなアキラとアルファの関係が、アキラが死地を切り抜けていくことでどう変化していくのかも見所になりそうな気がします。が、まだ序盤なので今のところはアキラを思惑通りに誘導していくことに腐心している様です。

もっとも、アキラの意志には従わざる得ない様です。今回のクライマックスである無茶な戦闘についても、いざとなれば強化服をコントロールしているアルファなら強制的に止めることもできたはずです。アキラが死んでしまったら元も子もない(まあ、またアルファを認知できる別のハンターを見つければ良いだけですが)ので、いくらサポートしたとしてもどこまで勝算を持っていたのか。まあ、経験が人を強くするのは確かなので、アルファとしても痛し痒しの面はあるのかもしれません。カツヤに対するユミナの様に物理的な強制力がないので仕方ないのかもしれません。強化服だってスイッチを切られればそれまでですし。もっともまだまだ素人ハンターレベルのアキラの反応速度でアルファを凌げるとは思いませんけど。

なんとなく銀河鉄道999のメーテルを思い浮かべてしまいました。いや、別にテレビ版ではそれほどではないけど、コミックではやたらと全裸や露出の高い衣装を着ている場面が出てくるのが似ている、という話ではありません(ぉぃ)。

シェリルの行動原理

実は死んだ人物を除いては1番の被害者ではないかと思われるシェリル。徒党の中でいい位置を占めて安楽に生きていくつもりだったのが、その徒党のボスがアルファと契約したアキラを狙ったばかりに徒党は壊滅して、自分が徒党のボスの立場に。アキラの後ろ盾があるとは言え、常にアキラがいるわけでもなし。

そんなわけで今回一気にリミットを振り切ってしまったシェリルは開き直ったのか他徒党に対しても身内に対してもアキラに対しても態度が一変。今後もシェリルの動向から目が離せません。

無理無茶無謀

今巻のサブタイトルが「無理無茶無謀」ですが、Iの上の時点で無理無茶無謀ですし、この先もずっと無理無茶無謀は続く気がします。そもそも、アルファの依頼自体が今までの犠牲者や中途離脱者数からして無理無茶無謀なのでしょう。

今回、Kindle UnlimitedでIの上下が上がっていたので読み直してみましたが、コミックでも追いかけているし、このまま原作も追っかけてみようと思います。とりあえず、コミカライズ分を追い抜かないと。と言いつつ、11/30に転スラの新刊が出るので、その後になりますけど。

公式サイト

2023-07-25読書SF,ナフセ,バディ,ライトノベル,リビルドワールド

Posted by woinary