ラノベ感想:きみは本当に僕の天使なのか?

読書,しめさば,ライトノベル

とある事情からドルオタになった優羽は推しが立て続けに不祥事で辞めることに絶望したが、「完全無欠」のアイドル麗に出会い最後の推しとすることに。
ある日、その麗が押しかけてきて彼氏になれと言い出す。その目的とは? 

あらすじ

幼い時の体験から女性に恐怖を感じるようになってしまった優羽。アイドルオタクとなることでその症状は多少は和らいだものの、まだまだ女性とのコミュニケーションは難しい。そんな中、推していたアイドルが立て続けに「不祥事」で引退することになってしまう。もうドルオタを辞めようと考えていたところに出会ったアイドル、瀨在麗は優羽から見て完全無欠と思えるアイドルで、最後の推しアイドルにすることを決意。なけなしの勇気を出して握手会イベントに参加する。その場で謎の紙切れを渡されるが悪戯と思って自宅に戻った優羽の元に、なぜか麗が押しかけてきて、彼氏になってほしいと言い出す。

アイドルとアイドル業界の裏を描く

アイドルとか芸能界とか流行ってる?

本作は「ひげひろ」こと「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」の著者、しめさば氏の新作です。なお、ひげひろはスニーカー文庫ですが、こちらはガガガ文庫です。今度も若い女性が押しかけてきますが、一応どちらも成人しているし、年齢も近いです。

そして、今度の世界はアイドル業界。ひげひろは著者の前職の経験も入っているようですが、アイドル業界とは全然違う世界です。取材とかするのかわかりませんが、そういう感じでもないですかね?何か、最近見ているラノベ、コミック、アニメでちょこちょこ芸能界が絡んでくるような作品が出てくるのですが、これも何かの流行りなのでしょうか。

そんなわけで、きっかけとしては「ひげひろ」が良かったのでその流れ、というものです。が、まあ一応宣伝文句の以下の部分にも興味を持ったのは確かです。

“アイドル"を巡る、新たなる闘いの物語。

5人の登場人物

本作のメインは優羽と麗です。「ひげひろ」で言えば吉田と沙優ですね。その「ひげひろ」で言えば、彼らを取り巻く人間関係も見所だったかと思いますが、本作では彼らを取り巻く人間として現時点では麗のマネージャ、麗が最初にデビューした2人組の時の相方の元アイドル、そして、アイドルのスキャンダルネタを追いかける雑誌記者(フリーランス?)です。

マネージャは本来会社のことを考えないといけないはずですが、そちらを二の次で麗に親身に接しています。事情があって辞めた元アイドルは今でも麗を心配しています。そして、記者も元々はアイドルに惹かれていたが現実に絶望してスキャンダルを追いかけるものの、上からの圧力で没になるので見切りをつけようかと考えている状況。

それらを結びつけることになるのが優羽になります。「ひげひろ」の吉田もよくわからん人物ですが、今回も負けておらず、アイドルは好きだがその中身は女性なので近づけないという難儀な性格。
あらすじに書いた「彼氏になってほしい」という話も、もちろん単なる男女関係ではなく、麗のある計画に基づいての作戦の一つなのですが、それにしても自分の好きなのは「完全無欠のアイドルとしての瀨在麗」であると広言して憚らない。

麗のアイドル業界を変えたいという想いで始まったこの作戦で5人が知り合い、真のアイドルとアイドル業界というものを目指していく、と大袈裟に言ってしまえばそんな物語です。

説得力が課題か

というわけで始まったものの、1巻で当初の目標を達成してしまいました。あれ?もう?という感じです。まあ、麗と優羽の関係については匂わせがあるし、女性恐怖症の発端となった女性も出てきそうなので、これで終わりではないのでしょうが、今後どう話を進めていくのやら。
それについてはそれぞれの夢が語られてますので、それに向けて動いといくのでしょうか。

ただ、ジャンルは違えどコミックの方でアイドル業界の裏側を取り上げた作品が現在進行中で、(実際取材したかはともかく)取材したような感じの濃い話題が語られているところで、(実際のところは分かりませんが)あまり取材とかしていない感じの本作がリアリティに欠けるように感じてしまいます。そこを、麗や優羽の夢への勢いだけで突っ切れるのかが課題でしょうか。まあ、綿密な取材をもとに世界を書くような作風ではないので、彼らの人間関係と夢への道のりが絵がかえれれば良いかと。

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