ラノベ感想:陰の実力者になりたくて! 04
元々目をつけてはいたものの後回しに。それがアニメ化されたのを見てコミカライズ→原作と手を出して4冊目。ようやくアニメでもコミカライズでも描かれれていない領域へ。実は年末年始のKindleのキャンペーンに釣られて4巻、5巻を買ってあったのですが、積読消化の遅れでようやく手が出ました。
あらすじ
ミツゴシのピンチに颯爽と現れて救うつもりが失敗(シド視点)し、オリアナへと逃亡したシド。そこで因縁浅からぬドエム・ケツハットとローズ・オリアナが再び結婚するという話を耳にしたシドは城内へ潜入、そこでローズと出会う。人質を取られていることを察したシドは探りを入れるが、意外な事実が待っていた…
明後日の方向にそれても必ず真実に収束する陰の叡智
ローズもシドも相変わらずの思い込みの激しさ。あんなにズレているのにちゃんと不整合なく収束するのは神の御業か何らかのスキルなのか。
実は「月光」しか弾けない?
今回、オリアナ城内への侵入のためにシロン(イプシロン)の弟子という肩書きを使ったシド。そこで音楽家ルートもよいか?などと言ってますが、「月光以外の曲も練習しなきゃ」との独白が。
あれ?実は月光しか弾けない? まあ、シロンが色々弾いている曲のほとんどはシドが弾いたものでしょうから、全く弾けないということはないのでしょう。あくまで、「月光」ほどのレベルではないというだけで。
シドの勘違いセリフの鋭さ
シドは自分の中の「陰の実力者になりたい」という想いを語っているだけなのですが、それが聞いている人物、例えば七陰の面々やローズ・オリアナの心に突き刺さります。が、たまになんか読者である自分の心に刺さることも。
王城ではんば軟禁され思い悩むローズ・オリアナに宛てたシドのセリフが(ズレまくっているのに)鋭いな、と。
「(前略)雑音が多すぎたんだ。雑音が世界を濁らせて、大切なモノを隠してしまう。何が大切なのか、人は簡単に見失ってしまうんだ。」
(中略)
「僕が思うに、世界は少し明るすぎる。だから、いろんなモノを見せてくれる。だけど、いろんなものが見えすぎて、大切なモノを見失ってしまうー今の君みたいに
二章 結婚阻止計画を実行する! より
いや、どこかで言ってみたくなるセリフです。実際、先が見えすぎてしまうとどうにもやる気が出ないことも。
大変なことになっていた日本
勢いで崩壊する「黒キ薔薇」に飛び込んだシド。そこはシドが転生してから数年後の日本。シドの転生と関係あるのかないのか、魔力によって現れた魔獣が跋扈し崩壊しつつある世界に。シドが魔術の光だと思っているのはトラックのヘッドライトだと思うので、無関係なのかもしれませんがあるいは何らかの因果関係がある可能性も。
そんな日本でも魔力を宿した人間が現れてるよう。あれ?そうするとシドの転生は実は不要だった?なんにせよ、日本でも陰の実力者ムーブを欠かさないシド。そこはブレません。
一方、「陰の叡智」が前世である日本由来であることを隠したいシドにある意味厄介払いされたベータ。しかし、彼の思惑に反して様々な技術や知識に触れ、数日で日本語の会話もある程度マスターするほど。以前の経済戦争編でシドが日本語で書いた「暗号」を解読したのはイータだと思ったのですが、ベータもあれをヒントにあっさりとマスターしてしまったよう。シャドウガーデンの面々はどうにも無駄に高スペック。
今後
あとがきにも4巻を書いていた時はスランプという話がありましたが、5巻も時間がかかっていて打ち切り説が出ていたほど。ちなみに刊行ペースはこんな感じ。
巻 | 発売日 | 間隔 |
---|---|---|
1 | 2018年11月5日 | ー |
2 | 2019年3月5日 | 4ヶ月 |
3 | 2019年7月26日 | 4ヶ月 |
4 | 2021年2月26日 | 1年7ヶ月 |
5 | 2022年12月28日 | 1年10ヶ月 |
こうなると6巻が出るのは早くて2024年中のどこか?まだ1年くらいは先になりそう。続き…出るよね?
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