ラノベ感想:本好きの下克上 第五部 女神の化身VI

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サブタイトルつけると長すぎるので外してます。正しくは 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身6」です。短編集や外伝を除いた本編では通算で27巻目になります。

今回は領主会議で決まったローゼマインの中央移動を巡り、領主一族と領内貴族の変化を描く話です。

あらすじ

領主会議を無事に終えてエーレンフェストに帰還したジルヴェスターとローゼマイン。ローゼマインの中央移動の話を領主一族のみに伝える。移動に当たり、ローゼマインだけでなく側近や護衛騎士、それに専属の職人等を連れて行くことになるため、ローゼマインは側近や神殿、商人や職人たちの希望を問うために話をする。

一方、ライゼガング派の古老たちは独自に「ローゼマインが中央神殿に移動する」という誤った情報を入手し、アウブ・アーレンスバッハの葬儀でジルベスターの不在を突いてフローレンツィアに詰め寄る事態に。それを知ったローゼマインは兄弟たちとその場に駆けつける。

アーレンスバッハではエーレンフェスト出身の中央騎士が葬儀の最中に騒ぎを起こす。さらに、ランツェナーヴェの姫の受け入れや葬儀の争乱、王命での隠し部屋の件でディートリンデとフェルディナンドの関係(というか、ディードリンデからの一方的な関係)が悪化。そこにランツェナーヴェの使者、レオンツィオがディートリンデのグルトリスハイト入手の支援を申し出る。

未来と決断の第五部6巻

ローゼマインの中央入りの波紋

前巻で微妙になっていたところもあった領主一族の絆。ローゼマインの中央入りをきっかけとして一族や親子で話し合った結果、少し風通しが良くなったようにも感じます。まあ、まだ次期領主の件が決着ついていませんが、ジルヴェスターは保留としました。本人はまだ若いですから。

とは言え、何があるかわからないし、一番良かったのはローゼマインの手綱を取れる大領地の2番目、3番目の王子を側仕えの上級貴族込みで取り込む事だった気がしますが、ヴェローニカ・ショックがまだまだ強いエーレンフェストでは難しいでしょうか。シャルロッテが自分は補佐役と言ってましたが、それとは違う意味でローゼマインはトップには向かないのですよね。しっかりと手綱を握る人間がいないと暴走機関車なので。そう言う点でも、いきなり中央で王族としてエーレンフェストみたいなことをやり始めると、軋轢が大きそうなので、エーレンフェストくらいの領地から始めるのは良かった気がします。

時間がある前提であれば、神殿長を経験したメルヒオールが後継としてアウブになるのが一番なのでしょうか。それをヴィルフリートとシャルロッテが一族として支えるというのが良いように感じます。

ライゼガング古老の暴走

そんな中、葬儀のためにジルヴェスターがアーレンスバッハに向かった隙を突いてライゼガングの古老たちがフローレンツィアの元に押し掛ける事案が発生。状況を察したハルトムートがローゼマインたちに報せることでなんとなく落ち着くところに落ち着きました。

が、これはヴィルフリートの名捧げ側近の暗躍をきっかけにしたフローレンツィアの仕込みだということが発覚。今まで表にあまり出てこなかったフローレンツィアの企みにびっくりです。多分、ジルヴェスターに負担をかけないようにこのタイミングに合わせたのでしょうね。

一方でローゼマインの貴族としての実母であるエルヴィーラもローゼマインに対して親娘の交流を持ちます。ローゼマインの生い立ちを知った上で色々考えていてくれたことがわかります。それができたのが別れが迫っていたからと言うのが切ないです。本当は嫁入りの時にするつもりだったのでしょうね。

側近との絆

ここでいう側近とは、貴族としての側仕えや護衛騎士だけでなく、神殿はもちろん、商人や職人、平民の家族も含みます。

中央への移動に伴い、ローゼマインの側近たちもエーレンフェストに残るか、ローゼマインとともに中央に移動するかの選択が必要です。移動するにしても、ローゼマインとともに移動するか、成人まではエーレンフェストに残ってそれからか、いくつかの選択肢があります。

絆と言えば、トゥーリとルッツがいつの間にか…。こちらもローゼマインを支えていくのでしょうね。ベンノの跡を継ぐのかとか妄想が膨らみます。ああ、ベンノとコリンナの関係がルッツとトゥーリか。お互い、店を持ってローゼマイン専属に…。妄想が止まりません。

こんな感じでなんとなく、物語の終わりのような感じで書いてきましたが、まだ第五部の中盤から終盤に入るくらいでしょうか。まだまだこのまま終わるわけがないので、物語の先が楽しみです。

ひとまず既刊は終わり

前巻は商人聖女の大活躍があったのですが、今回はそれぞれの立場や絆を再確認する巻でややおとなしめ。別れに備えた話なので切ない感じです。次巻は暗躍するレオンツィオと操られるディートリンデ、そして背後に見え隠れするゲオルギーネや中央騎士団長の動きが気になるところです。

急に読み始めて既刊を全て読んでしまったためひとまずここで中断。次の第五部7巻の発売は2021年12月10日です。本当は2週に1冊くらいのペースで読むべきなのですが、ついついほぼ一気読みしてしまいました。面白い本は読みたいですが、そればかりにしてしまうと色々支障が出るので困ったものです。夜中に目が覚めて読み始めてしまい、そのまま朝を迎えて寝不足だったり、とか。

なんにせよ2ヶ月近くお預け状態になるので、ちょっと他の本でも読みますか。

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