ラノベ感想:現実主義勇者の王国再建記 II
アニメ2期放送中の本作で1巻が0円セールで読んでみて面白かったのと、2巻も半額セールなので勢いで購入、そのまま一気に読み終わってしまいました。
あらすじ
異世界に召喚された勇者、ソーマは着々とエルフリーデン王国の改革を進め、内政の課題を解決しつつあった。しかし、相変わらず三軍を率いる三公はソーマの指示に従わず、その気に乗じて隣国のアミドニア公国も動き出している。
そんな中、ついに三公との最終階段を行うが、海軍大将エクセル公以外とは決別、内戦に突入する事態に。それに乗じてアミドニア公国のガイウス8世も王国に対して進軍を開始する。1万の直属軍で三公とアミドニア公国にどう対応するのか。エルフリーデン王国とソーマに最大の危機迫る。
俺の屍を越えてゆけの2巻は怒涛の戦闘巻
というわけで、今回はほぼ丸々戦闘づくしです。もっともソーマは勇者とは言え身体的には平均的日本の学生ですので、戦うのはもっぱら仲間たちになります。転生もので本人が無双しないのは珍しいかもしれません。しないと言っても軍事でしないだけで、内政無双してますけど。
そして、三公のうちの二人と、アミドニア公国との連戦になります。アニメ1期の山場でもあります。
時間稼ぎと電撃戦
武力という面では無力なソーマですが、その能力「リビング・ポルターガイスツ」はなかなか強力です。他の転生モノでも並列意思や分体といった能力はなかなか使い勝手が良いものとして扱われているかと思います。能力名が厨二っぽいですが。というか、「リビング」って要りますかね?
序盤の山場がアミドニア公国に街を開くと見せかけての時間稼ぎと、その裏での電撃戦です。ソーマの能力を最大限に活かした作戦になっています。まあ、とある事情からそうせざるえなかったのですが、それは読んでのお楽しみ。
作中でこの戦いは「三正面作戦」とも呼ばれたとされており、二公とアミドニア公国の三者を一度に敵に回している無理無茶無謀な戦いではありますが、当然、ソーマと宰相ハクヤの合作による作戦があるので、そのはまり具合を楽しむことになります。
その辺は個人によって評価が違ってくる部分でもあります。あまりにテンポが良すぎてはご都合主義と言われるし、かと言って苦戦しまくるのもわざとらしく、それで勝つこともまたご都合主義と言われるし。その辺、こういう事情があったと盛り込むことでバランスをとっているように感じました。
アミドニア公国戦
そんなソーマ達の企みにまんまと乗せられてしまった可哀想なアミドニア公国とガイウス8世です。最近のこの手の作品は敵があまりに無能だったり、そうでなくても一方的に蹂躙されるケースが多いような気がしますが、今回、ガイウス8世は最後の意地を見せてくれました。
王国から見れば悪役だし、決して誉められた侵攻ではないですが、そうでもしなければ国として存続できなかった事情も描かれており、読み応えはありました。ついつい、ラストまで読み切ってしまうくらいには。
ソーマの決意
さて、そんなソーマですが、一番心にきたのが以下の部分でしょうか。ソーマ自身の独白とかではなく、他人から見たソーマの心中ですが、おそらくその通りなのでしょう。人間、できることしかできないし、できないことはできないのですが、役目というものがそれ以上を要求することがあります。それで折れることも。ただ、18歳くらいのソーマがそれを乗り切れたというのは、個人の資質もあるのでしょうが、やはり「家族」の存在なのでしょうか。自分にはないのでわかりませんけど。
権力と同時に与えられる責務を無視できるような能天気な性格ならば、さほど気に病むことなく国王でいられただろう。しかし、その責務を理解しているものにとっては、権力などただの重荷でしかない。ソーマは国王になり切ることで、その重荷に耐えていたのだ。
第九章「決戦」より
あとは序盤のジュナの子守唄のシーンも良かったです。
今後
3巻からは通常価格なので、ちょっと置いておこうと思っています。というのは半分冗談で、このまま3巻に入るとアニメ2期に追いつき、追い越してしまいそうなのでちょっと置いておくことにしました。
今期のアニメ化作品で気になるものがあったのでそちらを読んでみようかと。そちらも半額セール中というのもありますが。しかし、ラノベが山のようにある中で、なんで同時に似たようなアニメ化作品が放映されるのでしょうね。狙っているのか偶然なのか、設定が似たような作品が被ることが割とあるような。まあ、こちらは2期目であちらは新規、こちらは転生ものであちらは違いますけど。
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