ラノベ感想:リビルドワールドIII <上> 埋もれた遺跡

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Kindle Unlimitdの対象がV巻(通算8巻)までとなったので以前の続きを読み始めて通算5巻のIII<上>まで来ました。なおIVとVは上下に分かれず、VIでまた上下に分かれ、VIIではまた単独に戻るというややこしい通算11巻目まで刊行済みです。4月最後の読書です。

あらすじ

九死に一生を得て装備も一新、荒野の足も手に入れたアキラ。以前棚上げにしていた未発見の遺跡探しにいよいよ取り掛かる。難航したものの守備よく手付かずでモンスターも見当たらない遺跡を発見したアキラは遺物収集を進める。しかし、それが新たな騒動への導火線となっていた…。

幸せの次は不幸せ?手付かずの遺跡をめぐる大騒動

死闘の結果として健康無体と新しい装備一式を手に入れたアキラ。移動手段も手に入れたことで、レンタル車両で遺跡の情報が漏れる心配もなくなり、未発見遺跡の捜索を再開。守備よく遺跡を発見して、遺物の持ち帰りも成功。ここまでは幸せよりの話。ただ、それで済まないのがリビルドワールド。いずれ情報が漏れるのは防げない話ですが、早速、情報が色々と漏れてしまいます。それをきっかけに色々と騒ぎが持ち上がる羽目に。

カツヤに謎の力?それとも謎の少女の力?

カツヤを裏から操る謎の少女。アルファの同類と思われますが、名前が不明なので仮に「ベータ」としておきます。今までもアルファと「ベータ」の接触の機会が何回もあり、それぞれの試行対象であるアキラとカツヤの扱いで何度か対立していますが、お互いの試行について思うところがあるよう。明からさまな妨害活動はできないものの、方針の違いなのか、目的は同じでもライバル関係にあるのか、その辺は現時点ではよくわかりません。

そんな「ベータ」の試行対象であるカツヤは以前から女性を妙に惹きつけるという話がユミナやアイリなどから語られています。ああ、シオリまで「自分も口説かれた」とか言ってました。今回、シェリルとカツヤが対面する機会がありましたが、シェリルまでカツヤの影響を受けていたような描写があります。さて、問題はこれが誰の力なのか。

もしかして第三の可能性もあるかもしれませんが、おそらくカツヤか「ベータ」の二択かと思います。ただ、試行対象であるカツヤへの影響力が低い(回線が細い?)「ベータ」が、さらにカツヤの周囲の女性たちに影響を行使できるのは不自然。そうなると、カツヤに周囲の女性(だけではないかもしれませんが)に好意を抱かせるような何かの能力のようなものがあるのかもしれません。魔法とかない世界でそんなことがあるのか?と思うかもしれませんが、アキラの旧領域接続者としての能力と同様に何らかの他人に影響を与えるような能力もあるのではないかと。まあ、能力とかではなく生まれもったカリスマ性なのかもしれませんけど。

そういう意味でもアキラとカツヤは正反対ですね。

なぜカツヤは届かなかったのか

もう一点不思議なのが、カツヤの「願い」が届かなかったこと。アルファと「ベータ」に能力差があるのかなども謎ですが、カツヤはヨノズカ駅のホームのAIアシスタント(仮に「駅員」と呼称)に願いを届けられませんでした。カツヤと「ベータ」との間の回線の細さと同様、カツヤには旧領域接続の能力がないか、アキラより劣るために「駅員」とのコンタクトが取れなかったという解釈がひとつ。

ただ、それ以前に「駅員」に近づいた時点で急にカツヤに対する「ベータ」のサポートが切れたような感じの描写があります。それまで一切の無駄なく敵を排除していたカツヤが急に能力を発揮できなくなります。ただ、その後、アキラとの共闘ではまたサポートが復活したのか、アキラが驚くほどの連携能力を見せつけています。この辺りも謎です。

現時点ではアルファたちの素性や目的が不明で、アキラやカツヤを使って何らかの目的を果たそうとしていることと、過去に「試行」と称して同様なことを繰り返してきたことだけしかわかりません。そもそも、他にも「ガンマ」など他の存在もいるのかどうかも。アルファと「ベータ」に能力差があり、アルファは「駅員」に指示できたが「ベータ」にはできなかったのか。それともそれぞれの試行対象者であるアキラとカツヤの「回線の太さ」の違いによるものなのか。謎は深まるばかりです。

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既刊感想

2023-07-25読書SF,ナフセ,バディ,ライトノベル,リビルドワールド

Posted by woinary