ラノベ感想:リビルドワールドII <下> 死後報復依頼プログラム

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Kindle Unlimitdの対象がV巻(通算8巻)までとなったので以前の続きを読み始めて通算4巻のII<下>まで来ました。最近、コミカライズの9巻も出て、ちょうどII下〜III上あたりの話になってます。

あらすじ

クズスハラ街遺跡の地下街に見つかったヤラタサソリの巣。それを排除するために似たような戦いをたまたま経験していたアキラは都市から名指しで依頼をされる。断ることができない依頼を向こうから断らせるために色々と条件をつけたものの、すべての条件が通ってしまう。諦めて依頼を受けたアキラだが、その巣のおかげで目論見が崩れたハンターたちが他にも居た。都市に隠れて遺物を持ち出そうとしていたハンターたちとアキラは運悪く出くわしてしまう。なんとか撃退できるかと思った時に現れたレイナとシオリ。さらには彼女たちを追ってカツヤたちまでやってきてしまう。一触即発の状況でアキラとかツヤの出会いは何を生み出すのか…。

不幸なのか幸運なのか?

アキラに限らず幸運だけ続く、あるいは不運だけ続くなんて人はそんなにいないと思うので、幸運と不運は背中合わせ。結局は側から見てどうだろうと本人がどう思うか次第の面も。そんなわけで読者としてアキラを幸運と思うか不運と思うか、難しいところ。結果次第の面もあるので現時点でどっちとも言い切れません。

本来遺跡で死んでいたと思えば幸運とも言えるし、あの時あっさり死んだ方が楽だったという結末が待っている可能性も。結局、幸運なのか不幸なんて気にしても意味はないというのがこの作品のテーマだったりして。

格上相手の本気の殺し合い

今までも多くの場合、素のアキラからすれば十分格上の相手ばかり。ですが、今回の相手は相手が年若いハンターだからと侮った対応をするような相手ではありません。全力で殺しにかかってきます。生命がかかってますから当然の話。

いくらチート級のアルファのサポートがあるとしても、条件次第ではギリギリ勝てるかどうかという戦いもあるのだ、ということですね。今回の相手はハンターの中でも上位クラスに匹敵する都市のエージェント(とアキラのことを勘違い)した上で、それでも何とか勝てるという判断ができるくらいの実力者。今までにない手に汗握る闘いでした。まあ、これでアキラが退場したら物語が終わってしまうので、メタな視点ではどうにかなるだろうというのは分かっているのですけど。

死後報復に意味はあるのか?

今回のお題は「死後報復依頼プログラム」ということで、アキラがその対象となってしまったことによって遺物をめぐる戦いに巻き込まれてしまうことになります。まあ、例によって相手側が勝手に勘違いして、自分たちが遺物を隠していたことが都市側に発覚したと思い込んだ上、アキラを都市のエージェントと思い込んでと、どんだけ思い込みが強いんだ?という感じ。

その死後報復ですが、これって意味あるのですかね?このプログラムが動き出すということは自分は死んでしまったということ。まあ、その仇討ちを強制的に成立させるという、対象となった人物にとっても、その対象をどうにかしなければいけなくなった立場の人にとっても傍迷惑なものです。当然、自分は死んでいるのだから、結果として仇が取れようが取れまいがどうにもなりません。成就すれば成仏できる、というものでもないでしょう。

そんなわけで、死後報復に意味があるのかな?と。実際、誰かに殺されたりしたら仇を取りたいというのもわかりますが、生前からそれを狙ってどれだけ費用がかかるかわかりませんが、こんなプログラムを設定しておく意味がよく分からないというのが実感です。

使い方としては、自分が死んでしまったら遺物を動かせなくなるぞ、だから自分を守れ、という保険としての使い方なら分からなくもないですが、当人たちは知らなかったようですし。まあ、感情ではないのでしょうが、いつ死ぬか分からないハンター稼業をしていて死んだ後の報復に金をかける感覚はよくわかりませんでした。まともな精神状態じゃこんな稼業はできないということか。

幸不幸で言えば、ヤジマの迷惑な死後報復依頼プログラムのせいで自由を失ったネリアや、計画が狂ったケイン(自称)がいちばんの不幸でしょうか。キバヤシ曰く余命1年だったアキラは強制高額治療で健康な体を手に入れたわけですから、現時点の結果論で言えば幸せですね。

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2023-07-25読書SF,ナフセ,バディ,ライトノベル,リビルドワールド

Posted by woinary