ラノベ感想:本好きの下克上 第五部 女神の化身XI

読書,ライトノベル,本好きの下剋上,異世界,香月美夜

サブタイトルつけると長すぎるので外してます。正しくは 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身11」です。短編集や外伝を除いた本編では通算で32巻目になります。今巻で最終巻かと思ってましたが、続きました。あとがきに次巻で最終巻とあるので、よほどのことがなければ長かった物語も今冬の通算33巻目、女神の化身編XIIで終了となります。

もっとも、女神の化身編Xでの予告で「次巻」ではなく「2023年中」の完結が示されていたのですよね。時間が開いたせいですっかり忘れてました。

あらすじ

戦いは終了したが、魔力欠乏によるユルゲンシュミットの危機は終わらない。神々からは速やかにツェント候補間で決着を付けて、礎に魔力を注ぐように求められる。しかし、ローゼマインもフェルディナンドもツェントになる気はなく、かと言ってランツェナーべのジェルヴァージオをツェントにするのは論外。

その状況の打開策は?そしてローゼマインの図書館都市建設の行方は…。

戦い済んで、主導権争いへ

というわけで、直接的な戦闘は終了。舞台は戦後処理も含めた王族、各領地の主導権争いという政治的な闘争へ。とは言え、神々側の情報はフェルディナンドとローゼマインしか知らず、グルトリスハイトも手に入れている二人が情報を好きにコントロールできる状況。特に王族はトラオクヴァールを含めて数々の失点、失態を重ねているので、すべてはフェルディナンドしだい。まあ、それをローゼマインが掻き回すわけですけど。

よくわからない神々

神々の論理なんて人間にはよくわからないもの。ツェントレースに関しては、平気で殺し合いを求める神々。正確にはエアヴェルミーンの暴走かもしれませんが。しかし、事後処理については命を奪うことは禁じるというダブルスタンダード。

この世界の神々って、ギリシャ神話的な人間臭さで親しみやすい反面、基本、人間の論理は通用しない存在でいまいち信用できない、と思ってしまいます。まあ、それはフェルディナンドやローゼマイン視点から見るからで、この世界の他の貴族などから見ればまた違うのでしょうけど。あと、魔力もなく魔法も使えない平民は神々をどう思ってるのでしょう。神事が重要であることが広がれば、平民の意識も変わりそう。

この辺りの感覚は王族に関して抱いていたイメージと被るかも。王族が出始めの頃は他の根っからの王族とエグランティーヌは違うんじゃないかと思っていた時期もありました。確かに、生粋の王族と大領地から王妃となるべくして育てられたエグランティーヌは違うのは当然。なんと言うか、聖人君子ではないなという当たり前の話なのですけど、メスティオノーラとかエグランティーヌの数倍黒い。

アレキサンドリアの立場

ローゼマインやフェルディナンドの存命中は問題ないでしょうが、彼らが亡くなった後は少し心配な気がします。そこはまあ、フェルディナンドがきっちり次世代を育てるだろうとは思います。ただ、今回の件で、よく思ってない大領地はあるはず。女神の化身たるローゼマインが居る間は、(彼らの視点では)神をバックに付けていると思えるので反抗しないでしょうが、次代になったら絶対に政変が起きそうな気がします。

と言うか、今後、グルトリスハイトを得るためにツェント候補はエアヴェルミーンと接触するわけで…。フェルディナンドに悪意の笑みを向けるメスティオノーラとか、行きがかり状半ば敵対状態のエアヴェルミーンと和解しておかないと、神々の性格を考えるとアレキサンドリアはかなり危ない立場なような気がするのは気のせいでしょうか。

もちろん、アレキサンドリアに直接害を及ぼすようなことはしないとは思いますが。

ローゼマインの記憶問題

そしてXIIに持ち越しになったローゼマインの記憶問題。XIIの分量を考えると、ローゼマインの魔力が枯渇→フェルディナンドが染め直す→記憶も戻って万々歳…とはなかなかなりそうもなく、もう一波乱ありそう。まあ、本編短めで巻末短編盛り盛りという方法もあるとは思いますけど。

なお、麗乃時代の記憶はあるようですし、よくわかりませんが転生前の母の記憶もあるようですが、最早、マイン時代の方が大切な記憶なんでしょうか?(触れてないだけで、麗乃母の記憶もない?)

そもそも、メスティオノーラが記憶を奪ったのは、降臨時の時間稼ぎだと思うのだけど、降臨後も奪い続ける必要性があるのだろうか。ローゼマインの反感を買うようなことをわざわざ続ける必要性をあまり感じないのも確か。筋書きの都合か?

色々なシリーズが終わり、ちょっと寂しい

休職や退職を契機にラノベ読みに復帰してから読み始めた作品も、いくつか完結を迎えたり、迎えつつあり、やや寂しい状況へ。大体は、アニメから入った作品が多いのですが、そろそろ新しい作品を見つけないといけないか?

もっとも、いくつか保留中のシリーズがあるので、まずはそこからか。

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