ラノベ感想:蜘蛛ですが、なにか?4

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異世界最大の迷宮上層部で蜘蛛に転生した「私」。エルロー大迷宮からの脱出に成功するもののマザーも外に出てくるという予想外の展開に。迷宮に逃げ込めば刺客の蜘蛛軍団に襲われ、外に出れば魔王に襲われる。エルロー大迷宮を飛び出した戦いはマザーとその祖たる魔王だけでなく世界を巻き込んでいく…。

あらすじ

地龍アラバを倒し、大迷宮の外への道を発見した「私」はついに外へ。初めての世界を堪能する暇もなく、突如現れた魔王に襲われる。マザーとその祖である魔王と敵対することになった「私」はゲリラ戦略でマザーや魔王の戦力を各個撃破し、ついにマザーとの対決に持ち込むが…。

一方、勇者シュンは帝国軍がエルフの里を狙っていることを知り、エルロー大迷宮を超えて里へ向かうことに決める。そこで出会ったのは勝手迷宮で暴れた悪夢の「残滓」と呼ばれる存在。シュンは案内人の注意を忘れ悪夢の残滓に語りかけてしまう…。

そして、転生して以来初めて「私」は他の転生者と出会う。それが新たな戦いのきっかけになるとも知らず…。

蜘蛛子とマザーの総力戦の4巻

アニメ、コミックを見た上で原作を読んでいるので、原作では先の話も少し入っていますが、ご了承ください。

しぶとく生き残りゲリラ戦を展開する蜘蛛子さん

外ならばマザーに追われることもあるまいと迷宮から飛び出した蜘蛛子さん。しかし、マザーが迷宮を突き破って現れ、山を丸ごと吹き飛ばす。慌てて迷宮に戻れば刺客の蜘蛛軍団に襲われる。

と言うわけで、因縁の骨肉の争いがついにクライマックス。マザーことクイーンタラテクトは、その祖である魔王に支援を求め、魔王も手下を連れて襲いかかる。そんな時に取れるのはゲリラ戦術。なんとか危機を脱した蜘蛛子さんは転移魔法を駆使してヒットアンドウェイの各個撃破。そしてついにマザーとの対決に持ち込む、という流れ。

地龍アラバとの闘いは持てる力を互いにぶつけ合った闘いでしたが、マザーとの闘いはいかに自分の土俵に誘い込んで敵を倒すかという闘い。いつもは周到に準備して罠にかける蜘蛛子さんが、逆にマザーの周到な罠に嵌められます。

迷宮を越え、エルフの里へ向かう勇者一行

お尋ね者になってしまったため表立って迷宮に入れない勇者一行は案内人の協力を得て裏ルートから先代勇者との因縁もある迷宮へ。

さてその勇者パート。物語の主要人物の一角であるのは確かなのですが、そもそも描かれている分量が勇者パートと蜘蛛子さんパートでは圧倒的な差があるので、どうしても勇者への思い入れが少なくなります。まあ、人族であり、その人族を守るのを最大の役目と思っているので、物語を俯瞰する読者の立場からするとどうしても視野狭窄に見えてしまうという可哀想な面もあります。そこが、勇者パートがイマイチ不人気な原因の一つではないかという気がします。
同じ転生者でありながら、かたや世界の事情を知りつつ自己の想いを優先させ、かたや何も知らずに目の前の正義のために人のために剣を振るう。とはいえ、まだどちらも10代の若者なのですが。

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Posted by woinary