ラノベ感想:俺は知らないうちに学校一の美少女を口説いていたらしい1
偶然出会った地味な少年と学校一の美少女。共通の趣味をきっかけに友達以上恋人未満のゆったりした日常が過ぎてゆく。
なお、サブタイトルに「 ~バイト先の相談相手に俺の想い人の話をすると彼女はなぜか照れ始める~」と入っていますが、長くなるのでブログのタイトルからは割愛しています。
あらすじ
地味な少年、田中湊は偶然拾った生徒手帳をきっかけに学校一の美少女である斎藤玲奈と知り合う。しかし、彼女は好意を持ってきた男子を悉く塩対応で撃退することでも有名。目立ちたくない湊はそっけなく生徒手帳を返す。それだけの関係で終わるかと思っていたが、たまたま図書館で玲奈と再会し、お互いに本好きであることが分かる。
一方、湊は家庭の事情で校則で禁止されているアルバイトを始める。そこで出会ったのが同い年の柊玲奈。女子との付き合いが少ない湊はバイトの先輩で色々指導してくれた柊に斎藤のことを相談する。しかし、地味なバイトの先輩、柊麗奈は実は学校一の美少女、斎藤玲奈だった。
学校とバイトでキャラを変える二人のすれ違っているのにすれ違わない青春ラブストーリー。
すれ違っているけどすれ違わない
この本を読んだきっかけは、Kindle Unliitedでおすすめの本の1冊だったためです。せっかく、毎月課金しているのですから有効活用しないともったいないですから。ただ、続刊がタイミングよくUnlimitedに入らないし、そもそも入るかどうかもわからないので、地道に待つか、いっそ買ってしまうかの判断が難しい。
閑話休題。
本作の主人公、田中湊は地味な高校生男子。ある意味ラノベの典型的いい人主人公。そういう意味ではあまり個性がない。両親が海外に行ってしまって一人暮らしというのは現実なら特殊ですが、ラノベではありふれた設定。特徴を挙げるとすればとにかく本好き。何しろ、一人暮らしにあたって親から渡された生活費を本に注ぎ込んでしまうくらい。
おかげで校則で禁止されているアルバイトをすることとなるが、学校にバレたくないので悪友の手助けを得て変装してバイトすることに。そんな湊がたまたま拾った生徒手帳の持ち主は学校一の美少女(ラノベあるある)で、想いを寄せる男子に一切なびかないことで有名な斎藤玲奈。面倒と思いつつも彼女に生徒手帳を返すが、特に下心のない湊はそれで彼女との関係は終わったものというラノベ主人公の特殊能力を発揮する。
ここでツッコミ。いや、それだけ面倒なら学校の担任なりに渡して返して貰えば良いじゃない。高校に用務員室があるか知らないが、普通に落とし物として職員室なりしかるべきところに届ければそれで終わり。男性不審気味な玲奈がそれ以上関わってくることもなかったはず。
話を戻して、これだけで「自分に下心を持たない彼はどういう人なんだろう」と他の男子とは違うと感じてしまうチョロイン、玲奈。たまたま出会った図書館でお互いに本好き、しかも湊が読んでいた本と作風が似ているシリーズ作品を読んでいた玲奈がそれを貸すことになる。お互い、本好きとして意気投合。少しずつお互いを理解し、友人関係を築いていく。
そんな作品なんですが、これだけだとあまりに直球王道なので多少変化球を入れてきたのが、二人ともバイト先が同じで、どちらも学校バレを防ぐためか学校でのキャラとバイト先でのキャラを変えていること。学校一の美少女、斎藤玲奈はバイト先では地味な柊玲奈。共通点は他人との接触を避けること。一方の湊は学校での地味な格好との差別化でイケメン爽やか風キャラ。
最初はお互いに気づかないが、ある時玲奈はバイト先の「田中さん」が同級生の田中湊であることに気づく。しかし、湊は名前が違うこともあって玲奈が玲奈であることに気づかず「名前が似てるし、雰囲気も似ているなぁ」なんて呑気なことを考えている始末。
ここでまたツッコミ。いや、流石に気付かないか?玲奈が同一人物じゃないかと気付いたのは名前が同姓同名だったからということだが、バイト先で知り合ってからそこそこ経ってから。いや、最初にフルネームで店長から紹介されたり、自分から名乗らないか?興味がなくてスルーしたのだろうか。結局、斎藤玲奈として接した記憶と湊の話す「知り合いの女子」が一致することでようやく同一人物判定。女性は髪型とか化粧で化けるというが、男子高校生も髪型変えてメガネをコンタクトにして、雰囲気変えればバレないのだろうか?
そんなわけで今巻の中盤早々、玲奈はバイト先の「田中さん」が同級生の「田中湊」であることに気づくが、湊の方は一向に気付かず。女子の知人が少ないため、斎藤玲奈のことを少ない知人女子である柊玲奈に相談することに。
そんなわけで本来すれ違っているはずなのに、意図せず湊の想いの半分くらいは本人に筒抜けという物語が始まります。
恋模様の行方は
1巻ラストでは湊の「友人」扱いに違和感を覚えつつ、それを受け入れてきた玲奈がついに自分の気持ちに気付いてしまうところで終了。玲奈自身の家族関係、交友関係は謎のまま。
- なぜ一人暮らしには広すぎる自宅に一人で暮らしているのか
- なぜ学校とバイト先で違う名前を名乗っているのか(なんとなく両親が離婚している?)
- 玲奈が男子を避ける理由
そして、いつまで湊は気付かないのか。このままある程度引っ張るのか、それとも次巻冒頭くらいであっさりとバレてしまうのか。個人的には2巻ラストで気づくくらいかな、と予想していますが、はてさて。
続きをどうする?
正直、お話自体はラノベあるあるだと思います。片方が相談している相手が当人だと気づかないというのは自分は初めてのシチュエーションかと思います。そこの部分、続刊でどうなるのだろうというのが気になるのは確かです。ですので、少なくとも続刊がUnlimitedに入ったことに気付けば続きを読みます。
ただ、そんな都合よくUnlimitedに入るかわからないし、そもそも入るかどうかもわかりません。昔のシリーズが全巻対象になっているような作品は良いですが、継続中の作品のUnlimitedはお試しで1巻読めると思えば良いですが、その後の判断が難しい。とりあえず、読みたい本リストに入れておいて、その時の積読状況で判断することにします。
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