「信長の野望・新生」ファーストインプレ

趣味,歴史シミュレーション

気になると書いた「信長の野望・新生(以下、「新生」)」ですが、結局買ってしまいました。最初に書いておくと、21時頃から初めて3時くらいまでやってしまうくらいには面白かったです。

おことわり

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また、「信長の野望・新生」は株式会社コーエーテクモゲームスの著作物であり、「信長の野望」は株式会社コーエーテクモゲームスの登録商標です。
©️コーエーテクモゲームス

プレイ状況

ファーストインプレッションと言っても何をどのくらいやっての感想かわからなければ参考にならないと思うので、状況も軽く書いておきます。

購入したのはSteamのWindows版です。手軽にできるSwitch版と悩みましたが、結局、Windows版に落ち着きました。
ゲームは公式おすすめである桶狭間シナリオの織田信長で開始しました。初級でほぼ初期設定どおり。ただ、人手不足はわかっていたので姫武将ありにしました。姫どころか自身や配下武将の奥方まで出てきますが。

チュートリアルで合戦する流れだったので長島城を攻め落とした際に、美濃・斎藤家に犬山の郡を2つばかり取られましたが、奪還。その後はイベントの流れで同盟している徳川家と浅井家の力を借りつつ斎藤家を滅ぼし、今は亀山方面から上洛を目指しているという状況です。ゲーム内時間で6年ほどプレイしました。

ここがすごい!とは言いにくいが、続けてしまうゲーム

それではいくつかのポイントを挙げながら感想を書き綴っていきます。

チュートリアルはあっさり

最初はチュートリアルがありますが、やることは全体に比べれば少なめ。まあ、Civilization VI(Civ6)でも全体に比べればあっさり目のチュートリアルですが、「新生」の場合はさらにあっさりした印象。やることはこれくらいだったでしょうか。

  • ゲームクリアまでの流れ(知行と内政、外交、合戦してクリアを目指せ)
  • 知行や大寒について
  • 内政について
  • 外交について
  • 合戦について

あとはまあ、頑張れ、となります。まあ、その後もCiv6で言えば大臣に当たる「献言」で今後の方向性を過信に聞くことができるし、頻繁に配下からの各種提案(計略とか知行が空いてるとか)が来るので、やることに困ることは少ないかと思います。

抜け目ない敵AI

先行や当日のリプレイ動画をいくつか見た上で、実際にやってみた上での感想です。初級なので設定的には非交戦的ではありますが、結構、隙を見つけては攻めてきます。無理やり攻めてくるわけではなく、それなりに勝ち戦と見て攻めてきているという意見がレビューとかでも多いように感じます。

こちらの兵力を見ているのか普段はおとなしくしていたりしますが、出陣して城の兵数が減ると途端にあちこちから兵を繰り出して攻めてきたりします。例えば、初めての合戦として長島城を攻めた際には、犬山城を目指して斎藤家が進軍を開始。長島攻めを優先したため、北側と東側の2ヶ所の郡を奪われてしまいました。また、六角家の亀山城を攻めた際には、どさくさ紛れに北畠家が安濃津城を攻め取ってました。

もっとも、一度動くとあまり後先考えてなさそうなのはいまいちでしょうか。先の斎藤家については小競り合いの結果、お互いに兵力を消耗。ただ、織田家がなんとか富国強兵で競り勝って斎藤家は滅亡の憂き目を見ます。北畠に関しても、安濃津は奪ったもののすぐに六角に奪還されました。おかげで、すぐに派兵して六角から安濃津を奪ったので、結果オーライでしょうか。六角と構えてる最中に北畠と構えるつもりはなかったので、六角が奪い返してくれてラッキーでした。

そうやって無理を重ねた結果、安濃津にこだわった六角家は伊賀上野を筒井家に奪われてしまった上に、奪還できない状態に。それで結局安濃津も織田家のものになってしまったのですから、踏んだり蹴ったりです。こちらとしてはその方が楽ですし、初級だからそうなってるのかもしれませんが、損切りはあまりうまくないようです。

頼りになるが鬱陶しい同盟・援軍

織田家はイベントの流れで現在、徳川家と浅井家と同盟しています。ここで頼りになるのが援軍です。織田家の有能な家臣団を持ってすれば、援軍に必要な信用40は4ヶ月程度で稼ぎ出します。攻略目標に設定して準備した上で、同盟から援軍を繰り出せば頼もしい戦力になります。
「新生」では同盟相手からの援軍要請は断ってこないそうです(少なくとも初級や中級くらいのリプレイでは聞いたことがない)。で、全力を持って目標を攻略してくれます。そこら辺は国衆も同様ですが、国衆とは兵力が違うので。

実際、何度か援軍を要請して、大変助かったのも事実です。例えば、斎藤家との雌雄を分けた一戦。浅井家には単独で大垣攻めを要請し、徳川家には岩村城の攻略を要請しました。その上で、織田家は金山城に全力投入。織田家と斎藤家は単独での兵力では互角なので、金山攻めに対する支援も薄くなります。結局、こちらが金山城を落とす頃には徳川家が岩村城を無事攻略。浅井家も流石に出遅れましたがこちらの援軍が駆けつける前に大垣城を攻め落としてくれました。
結果、斎藤家は稲葉山城と郡上八幡城のみ。さらに大垣城陥落によりイベントで西美濃三人衆が離反。斎藤家の凋落を決定づける戦いとなりました。勢力が大幅に削られると内部崩壊も進むのが「新生」。瞬く間に滅亡への道を歩むことに。

もう一戦は対六角家。今回も織田家と六角家の兵力は互角かやや優勢。亀山城を攻めるにあたって敵の兵力を分散させるために日野城攻めを要請。残念ながら今回は攻め落とすまではできませんでしたが、十分牽制の役目は果たしてくれました。原因として、ターゲットの隣接城からしか出兵してくれないので、主力の小谷城の兵力が動員できなかったためかと思います。

こんな便利な援軍ですが、それがちょっと鬱陶しい場面もありました。前述の通り、徳川家と織田家は同盟関係なのですが、徳川家の今川攻めに何度も援軍を要請されてしまいました。確か、吉田、二俣、曳馬の3回だったでしょうか。一応、援軍要請を断ることはできるのですが、色々悪影響があると秀吉に言われてしまうと、なし崩し的に受諾してしまいます。しかも、援軍はこちらで一切操作できないので出兵したら全力で目標に突撃していきます。3回中2回は壊滅しましたし、1回もギリギリでした。まあ、3回ともギリギリ勝ち戦だったようですが、これで討死でもされたら大損害なのも確か。出す兵力や武将はこちらで選べませんので(実はできたりして)。

しかも、こちらが六角攻めのために攻略目標を設定して準備を整えているところにしれっと援軍要請を入れてくるので、貴重な兵力の1/3近くを持ってかれる上に壊滅するのですからたまったものではありません。下手すると、援軍をきっかけに兵力消耗→衰退→滅亡という流れもありそうです。まあ、流石にそこまでギリギリならば拒否するしかないかもしれません。それはそれで悪影響があるのですから傍迷惑なものであることも確かです。こちらも利用させてもらってるので文句は言いにくいですが、こちらから徳川への援軍要請は1回、徳川家は3回ですので、ちょっと竹千代さん図々しくないですか?と言いたくなります。

ちなみに徳川はイベントで武田と組んで今川を滅ぼしたので、今はどこにも出られない状態。しばらくは援軍要請はお休みになりそうです。ただ、武田とことを構え始めたら、また援軍地獄の再来が来そうでちょっと怖いです。その点、浅井は静か。2回要請して、あちらからの要請はなしです。

桶狭間、織田家ですら序盤の人材に余裕なし

内製して富国強兵しないと合戦する兵力もたまりませんが、合戦しないと勲功がなかなか貯まらないのも確か。各種イベントのおかげで5年目くらいからは多少余裕が出てきましたが、斎藤家と争っていた2〜4年目くらいは桶狭間シナリオの織田家ですら、一時的に人手不足に見舞われました。これ、弱小大名家だとどうなるのだろう。

そういう意味では遠国登用のスキルは便利です。4年目か5年目くらいから結構成果を出しており、なぜか南光坊天海が士官してます。あと、遠国じゃないかもしれませんが、イベントで出奔した本多正信が織田家に士官していたりします。織田家だと一門や家臣の息子たちがちょこちょこきてくれるので、最近は人材不足もやや落ち着いてきました。頭数だけでなく、部将も増えてきたこともあって楽にはなってきました。

威風の効果は実感できず

知行ともに「新生」の売りが威風。大規模な合戦に勝利すると周辺に良い影響が広がり、負けると悪い影響が広がるという諸刃の剣。自身で采配する合戦でしか発生しないので、今回プレイした中では1回だけ六角相手に「威風(弱)」が出ただけでした。亀山のいくつかの郡が寝返ったのと、北畠家との関係が良化したのでよかったですが、まだあまり効果を体感できていません。そもそも、采配を取った合戦が2回か3回くらいだったでしょうか。

今後、今のシナリオのプレイを続けると大勢力との争いもあるでしょうから、良くも悪くも威風の影響を体感できそうです。

全体としては良好、今後どうなるか?

Steamのレビューを見るとこれを書いている時点では「やや好評」でした。166件中の72%がおすすめ評価のようです。ただ、「おすすめしない」案件の中には、最初から叩く気満々というか、他ゲーを持ち出して叩いてる人も目立つ感じです。
例えば、イベントに文句を言ってる人がいましたが、それならイベントをオフにすればいいのに、と思ってしまいます。「新生」ではゲームごとにイベントのオン、オフできるだけでなく、プレイ中に個別のイベント毎にオン、オフできるのですから。多分、以前から同じようなことを言われてたのでしょうね。
それを考えると現時点では割と好評な感じはします。

で、多分最終的には「賛否両論」になりそうな気はします。その1つが合戦。自分のような内政や戦略を重視する人間には、面倒な戦闘はこれくらいで十分てな感じですが、おそらく戦術的な駆け引きや、派手な合戦シーンを求める向きには、今作の野戦や攻城戦は淡白過ぎて「おもしろくない」となるかと思います。その辺は、人気作ゆえか早くもライブ配信やリプレイ動画がいくつも投稿されているので、実際にご覧になるのが早いかと思います。いや、ノブやぼに隙間だらけとはいえ30年付き合ってきた自分ですが、学生時代に戦国群雄伝とか部将風雲録にはまっていた頃の自分に、今やプレイ動画で実際のゲームの様子がわかるんだぞ、と教えてあげたいです。
まあ、合戦面に関しては、海戦も含めてPKでといういつものパターンかと。でも、三國志14はPK出さないんでしたっけ?

で、レビューでも見かけましたが、その売りの内政や知行が面白いのかといえば、これまた微妙な点も。本拠地の代官はともかく、領主については政策レベルを上げないと差し替えもできないし、そのハードルも割と高め。桶狭間織田家でようやく城主のすげ替えができるレベルに最近到達しました。まあ、下手なだけかもしれませんけど。そういや、城ごとに委任方針が決められるはずですが、完全に城主、領主まかせで気にしてませんでした。
そういう意味では、城主のすげ替えもできるようになったので、全面的な見直しもかけたいところです。ちょっと武将を整理して、軍団分けとかも視野に入れた再編成が必要そう。面倒ですけど。せっかく知行があるのだから、保守武将は旧領安堵すると忠誠上がって逆は下がるとか、土地との繋がりも欲しいところです。その辺はPKかな。相性バフよりは土地バフじゃないのかな、と感じます。

内政は施設を作るだけなので、ある意味Civ6みたいになったとも言えるかも。いや、施設の種類が少ないし、世界遺産もないですけど。桶狭間・織田家で6年やってもまだまだ施設面はこれから。労力縛りがあるのでなかなか施設にまで手が回らない現実。Civ6的と入っても、城下のビジュアルが大きく変わるわけでもないようなので、昔の箱庭ゲーム的内政を思い浮かべると「コレジャナイ」感が溢れ出してしまいそうです。
ただ、桶狭間・織田家という点もあるでしょうが、あまり細かく考えなくてもそれなりにゲームは進むというのも確か。かける手間と面倒のトレードオフとしてはそれなりに良くできているというのが現時点の感想です。

正直、為替レートの関係でお得感が高かったパラドゲーと比べると1万円は高いなぁ、と感じます。ただ、昔はノブやぼ、三國志はさらに1.5倍近くしたかと記憶してます。パラドゲーも為替見直しの値上げが予告されているし、やはり日本でしかあまり売れないニッチな歴史シミュレーションゲームとグローバルなゲームを比較しても仕方ないのも事実です。
やたらパラドゲーのMODを持ち上げる方もいますが、比較するようなものでもないと思うし、初日に「あともうちょっと…」と結局、6時間くらいやってしまうくらいは自分には面白いゲームでした。ただ、いわゆるフェニックスとかやるのは自分には無理そうですが。