ラノベ感想:本好きの下克上 第五部 女神の化身II

読書,ライトノベル,異世界,香月美夜

サブタイトルつけると長すぎるので外してます。正しくは 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身2」です。短編集や外伝を除いた本編では通算で23巻目になります。

今回はエーレンフェストと、ディッター大好きダンケルフェルガーが中心の話になっています。

あらすじ

3年目の貴族院も問題を孕みながらも進み、領地対抗戦の共同研究も進む中、神事の秘密が色々と明らかに。神殿の名誉回復を狙い、ローゼマインは神事が見直されるべく王族を巻き込んだ奉納の儀式を計画。

さらに共同研究とディッター本の影響で、普段からディッター色が強いダンケルフェルガーは買ってないディッター熱の盛り上がりを迎える。そんな中、ダンケルフェルガーの領主候補生筆頭のレスティラウトは野望に向けて宝盗りディッターでエーレンフェストに挑む。

王族や他領地をも巻き込んだ政争の結末は?

ディッターとダンケルフェルガーの第五部2巻

なんとなく、全体を通してディッターの話とダンケルフェルガーの印象が強い巻です。もちろん、王族を巻き込んだ神事の話とかもあるのですが、あれも発端はダンケルフェルガーとの共同研究です。

そして、ディッターとその前後の儀式で神の加護を受けることに成功したり、その後の嫁盗りディッターといい、どうもダンケルフェルガーの暑苦しさが目立ちます。

そんな脳筋な印象があるダンケルフェルガー男子ですが、色々策略を巡らすレスティラウトを見ると、ただの脳筋ではなさそうです。とは言え、ローゼマインのせいで国宝級の盾が破壊されてしまうのですから、ハンネローレの件といい、割と損害が大きい感じがします。

一方、今巻で一番気に入ったのが、挿絵もついたヴィルフリートとハンネローレのシーン。詳細は割愛しますが、あのハンネローレのセリフはダブルニーミングですよね。おっとりしていそうでやると決めたら貫き通しそうで今後に期待です。

そんなわけで、失ったものも多いダンケルフェルガーですが、そこを見込んだ上でのリスク計算はしてそうで、今後の立ち回りで利を得ようとしているのは確実そう。まあ、宝具の件は誤算だったでしょうけど。

力なき王族の悲哀

嫁盗りディッターが散々な結果に終わった後、アナスタージウス王子がヴィルフリートに王族に訴え出るべきだった、という趣旨の発言をします。が、正直、王族にそこまでの力がありますかね?

政変の影響で負け組領主からは当然恨まれているのは、神事での盾に弾かれた領地の学生の存在からも明らかです。一方で勝ち組領主にしたところで、王族を純粋に敬愛しているというよりは、外戚として力を奮いたいという領主の方が多いでしょう。神輿ですね。ローゼマインを巡る領地間の争いが起こった場合、落とし所としては中央や王族預かりというのは妥当ではありますが、それは王族の意思というよりも後ろ盾の大領地の領主間の落とし所になりそうです。ダンケルフェルガーがその影響力を行使し、他の大領地領主の望むものを提供できれば、ダンケルフェルガーがかっさらうことを阻むものはなさそうです。

まあ、そういう力がないことを自覚した上での、アナスタージウスができる範囲の最大限の誠意が「もっと上手く立ち回れ」だと思います。ローゼマイン自体はそれなりに上手く立ち回るでしょうが、まだまだ虚弱なローゼマインの身体的な限界もあれば、制御できる範囲の限界もあるでしょう。今まではそれをフェルディナンドがやってきた訳ですが、彼が表立って動けない今、ジルヴェスタートヴィルフリートの元アウブと次期アウブの似た者親子の奮闘が必要です。

よくわからない中央騎士団長

あとはまあ、よくわからないのが中央騎士団長です。今回のラストの方で一部の中央騎士が暴走しますが、果たして団長が関わっているのかどうか。フェルディナンドやローゼマイン、エーレンフェストを危険視する一方で、第3王子のヒルデブラントを焚き付けるようなことをしているわけで。その妻である上級司書のオルタンシアとローゼマインの関係は良好なだけに気になります。

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