ラノベ感想:天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~

読書,ライトノベル,国家経営,異世界,鳥羽徹

現在(2022年1月)、アニメ放映中。面白そうだったのと、ちょうど半額セールだったので購入して、気づいたら読み終わってました。うーん、ちょっと短めか。

あらすじ

病気療養中の父王に代わり、摂政に就任した王太子、ウェイン・サレマ・アルバレスト。帝国にも留学した優秀な王子との評判も高い。そんな彼の本心はさっさと国を売って隠居したい。

そんな中、隣国が突然の侵攻。事前に察していたウェインは鍛えた自国兵を率いて防衛に乗り出す。しかし、事態は思わぬ方向に転がり出す…。

アーリーリタイアを目指す天才王子の波瀾万丈生活

王子様は怠け者

サブタイトルに「売国しよう」となっている通り、この王子は国を売って隠居生活をしたいとことあるごとに言っています。売国と言ってもとにかく誰にでも売れればいいいというわけでもないようです。なぜ、売国したいかと言えば面倒臭いから、とは言っています。

そう言いながらも、なんだかんだで(幼馴染で補佐官を務めるニニムに尻を叩かれながら)仕事はするし、作中では天才王子と認められるほど優秀です。ただ、発想がネガティブでちょっとでも失敗すれば軍部はクーデターを起こし、民は石を投げてくると思い込んでいるようです。その辺はニニムが宥めても頑なです。まあ、摂政と言いつつ半分国王代理みたいなもので、そののしかかってくる責任は巨大です。王国自体は小国であり、ウェイン曰く人もない、力もない、産業もないので金もないド貧国とのことで、独立した国であるよりも大きな国の一部なり属国なりになった方が良いというのが売国の根底にあるようです。まあ、楽したいというのもあるのでしょうが。でも、なんだかんだ言いつつも、結局やることはやるのが憎めないところ。

しかし、書いてあることが全てではないかなとも思っていますが、どうでしょう。自分だけ良ければ良いと売国したいわけではなく、国なんて器にすぎないと言い切るあたりで16歳ながら達観している感じです。明かされていない思惑とかが色々ありそうです。

万能優秀美少女補佐官

隙あらばサボろうとするウェインの尻を叩くのが筆頭補佐官、ニニム・ラーレイ。幼馴染でこの世界的には虐げられている民族の出身。ただし、この王国では普通に暮らしており、代々王族に支える一族、という各種属性てんこ盛り。

なお、筆頭補佐官とありますが、他に補佐官がいるのかは不明。まあ、王太子で摂政なのですから他にもいるのでしょうが、作中で他に補佐官が出てくることはありませんし、任務で離れている時以外はほとんどウェインの側に控えているという存在。

ウェインは「自分の心臓」と公言しており、アニメではカットされましたが原作では過去にニニムを侮辱した3人が処分された模様。ウェインはニニムに対しては「売国して隠居、ニニムをからかって過ごしたい」と告げているのも大概です。

コメディ八割、シリアル二割

軽妙な文体で、ウェインとニニムのやりとりをニヨニヨしながらほっこりするお話。八割型はコメディタッチで軽く読み進められます。

ウェイン自体優秀だし、補佐官であるニニムも優秀ですが、本人がこの程度でいいやと思っていても予想外にうまく行ったりとか、失敗してもいいように解釈してくれたり後から実は良いことだったと分かったり、そういう意味ではご都合主義が服を着て歩いているような作品ですので、そういうのが気になる方には向かないでしょう。感覚的には「転生したらスライムだった件(転スラ)」の勇者まさゆきか、「蜘蛛ですが、なにか?」で天の加護を持つ勇者シュンみたいなものでしょうか。

先に書いたように概ねコメディタッチなのでウェインとニニムがイチャイチャしているのを眺めていれば良いのですが、裏にはいろいろ仕込みがありそうです。1巻でも何回か器が測れないといった評価を作中の人物から受けるウェインですが、勘違いだったりする反面、確かに根底で何を考えているのか底知れない部分があります。

今後

アニメ2話で1巻分だったので、すぐに続きを読むのはやめておくつもりです。アニメの進行を見ながら続刊を読んでいきたいと思いますが、今後も1巻2話ペースなのか分からないし、どういうペースで読むかが悩みどころです。分量から読書時間自体は短いので、すぐ読み終わってしまいますし。

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