ラノベ感想:本好きの下克上 第五部 女神の化身IX
サブタイトルつけると長すぎるので外してます。正しくは 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身9」です。短編集や外伝を除いた本編では通算で30巻目になります。女神の化身編も9冊目ですが、今冬の10冊目でもまだまだ終わらなそうです。
と言うわけで、次の巻まで3〜5ヶ月程度、女神の化身編画11〜12冊くらいになりそうなことを考えると、完結まではまだ半年以上先になりそうです。これで「本好きの下剋上」も終わりなのか分かりませんが。
本物のディッター・後半戦、エーレンフェストの一番長い日
ダンケルフェルガーを巻き込んだ「本物のディッター」でアーレンスバッハの礎を奪い、ランツェナーヴェとの戦いに勝利したローゼマイン。暫定アウブとしてフェルディナンドと共にアーレンスバッハを掌握しつつ、舞台はエレーンフェスト防衛へ。ゲオルギーネやグラオザムからエーレンフェストや大切な家族を守りきれるのか?
ゲルラッハ攻防戦
空気は緊迫しつつものほほんとした話も多かった「本好きの下剋上」ですが、流石に本当の戦争ともなればだいぶきな臭くなってきました。イルクナーなどでの前哨戦を経て、グラオザム率いるアーレンスバッハ(ゲオルギーネ派)・旧ベルケシュトック連合軍がゲルラッハ騎士団と衝突。そこにフェルディナンド、ローゼマイン、ハンネローレが率いるエーレンフェスト・ダンケルフェルガー・アーレンスバッハ(反ゲオルギーネ派)連合軍が援軍として中央突破、反転攻勢というかなり無茶な作戦を敢行します。
今までローゼマインの魔力量で押し切ってきたことが多かったですが、今回は「本好きの下剋上」でもほぼ初めてではないかという本格的な集団同士の戦争です。実際には、前巻でも陽動を引き受けたダンケルフェルガー有志とアーレンスバッハ騎士団(ゲオルギーネ派)との間ではそれなりに戦闘が行われていたのでしょうが、ローゼマインの居ない所はあまり描かれないのが本作ですので。
メンタルは現代日本人女性のローゼマインにとっては戦争なんて本の知識しかないわけです。ゲルラッハ騎士団を救うためとはいえ無理な作戦と、ゲオルギーネ派の切り札である即死毒によって本作史上最大の死亡者の発生と、かなり凄惨な戦場と化してしまいます。
現実世界ではソビエトのウクライナ侵攻によって国が他の国に侵略戦争を起こすと言うことがまだまだ過去のことではないと再認識させられましたが、ローゼマイン(麗乃)はそれも経験してませんから。ローゼマインの膨大な魔力を持ってしても全てを抑えきれない凄惨な現場というのは初めてであり、そりゃメンタルへの影響必至というものです。
エーレンフェスト防衛戦
ゲルラッハ攻防戦になんとか勝利した後は、防衛に成功したエーレンフェストでの事後処理。本編ではローゼマインの居ないところの話は全て伝聞になりますが、その辺りは巻末短編(短編じゃないか)で補足されています。
ところで今回出てきた「影武者」ですが、どういう存在なのでしょう。武田信玄なども何人か影武者が居たとされるし、徳川家康なんか本人が死んで影武者が生き残った、なんてお話もありました。伝聞部分の話なのでよくわからない部分もありますが、本作での影武者って「クローン?」って感じてしまうような記述に見えたのですが、魔術的な何かなのでしょうか。単によく似ている人物(あるいは外科的か魔法的に似せている?)を連れてきて敵を撹乱するための影武者とは違う扱いのように見えたのですが、気のせいでしょうか。
そして舞台は貴族院へ
そんなところに誰にもその思惑を図ることができないディートリンデから「アーレンスバッハに帰れないけど、どういうこと!」という空気を読まないお怒りの連絡が。敵は貴族院にあり!ということで次回はツェントの座を巡っての貴族院での争いとなります。
一部では「D子」とも呼ばれるディートリンデ。その考え方の破天荒さはある意味「蜘蛛ですが、なにか?」の邪神Dを思い浮かべてしまうほど。いや、D子と邪神Dでは持っている力が天と地ほどというか、まさに神と一般人ほど違うのですが、何考えているのかわからなさ加減は邪神D以上とも言える存在。思考回路はショート寸前です。次巻ではD子も活躍するのでしょうか(反語)。
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