便利だけど微妙に不便なApple Watch

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最近、色々アップル製品を買い込んでいます。が、いずれ移行は考えていましたが新製品が出た後に様子見して検討するつもりだったApple Watchも買ってしまいました。実際に使ってみて感じたことを書いてみます。

購入の経緯

実はFitbitのSenceというスマートウォッチというかヘルスケア製品を使っていました。これも含めてFitbit社製品の多くは時計裏蓋側にある端子で充電します。自分は汗かきなこともあり、防水じゃない時計の裏蓋が壊れて開いたりとか、こういう裏蓋側に充電端子がある製品で充電不良が発生することがよくあります。

今回もこのタイミングで発生してしまいました。もともと、少し前からちょっと接触不良気味だったのですが、突然うんともすんとも言わなくなってしまいました。そんなこともあって、充電端子のないApple Watchに移行してしまった次第です。

単体でヘルスケア製品としてある程度完結しているFitbit製品と比べると、Apple社製品と連携できるが少なくともiPhoneは必須のAppleWatch。連携が便利とは聞いていましたが、実際に使ってみた感想になります。
(以下、特記ない場合は単にWatchと書きます)

まずは環境面

実際の話の前に、自分の使っているアップル製品事情を書いておきます。なんだかんだでアップルに染まりつつあります。

メインのスマホはドコモ回線のSIMフリーiPhone SE2です。アップルストアからの購入です。ずっとAndroid端末を使っていましたが、9月にメインを切り替えました。Watchとペアリングしているのもこの端末になります。過去の契約の事情で5G回線プランですが、当然4Gでしか使えません。

サブのスマホとしてUQモバイルのiPhone13 Proを先日購入して基本アップル体制になりました。こちらは端末としては5Gに対応していますが、UQモバイルはまだ5Gは来ていません。ドコモは来ているのですが。来春以降の予定エリアからも微妙に外れています。もちろん、auも同じなのですが、両者のエリアマップを比べると、来春以降の予定のエリアの形が微妙に異なっているのが謎です。実際、ドコモ5Gを使っていて5Gの恩恵はないキワキワのエリアなのであまり意味はないのも確かです。home 5Gも使ってますが、5Gと4G+を行ったり来たりしています。

そのほかにタブレットとしてiPad Air4とiPad mini6を持っており、パソコンはMacBook Proをメインに使っています。これだけ書くとコテコテのアップル信者みたいです。

装着感

Watchはベゼルサイズを選べますが、40mmのものを使っています。44mmは分かりませんが、40mmはFitbit Senceに対して装着感は軽いです。Fitbit Senceと40mmのWatch series6ですが、縦幅こそ大差ないですが、横幅と厚みはSenceの方が大きいので、そこの違いかと思います。

製品名Apple Watch series6(40mm)Fitbit Sence
サイズ(縦×横:mm)40×3440.48×40.48
厚み(mm)10.412.35
重さ(g)30.546.5

ここは便利

Fitbit製品で、スマホに届いた通知を見たり、各種ヘルスケア情報を記録したりといったことは経験済みです。そのため、その手の便利な話は割愛させていただきます。

また、ここに書いていないことでも便利なものはあるかと思います。ただ、それはまだ試していないものか、あるいは、試してみたけど個人的にはそれほどメリットを感じなかったかのいずれかです。
あと、LINEの通知はWatchに飛ばすようにしていますが、LINEアプリは入れていません。そんなにLINEでのやりとりをしていないので今のところWatchだけでどうにかしようとまで考えていないためです。

一応ヘルスケア面について

そうは言っても売りの機能ではあるので簡単には触れておきます。

まずは転倒通知機能。特に身寄りに高齢者がいる方がプレゼント等で贈るケースが多いそうです。着けていてもらえば万が一転んだ時とかに自動的に転送するようにできます。

次に心電図機能。Fitbit Senceにも機能はありますが、日本では未解禁です。これで心臓の異常が見つかったという方もおられる反面、過剰に反応して医療機関への問い合わせが増えて困っているとの声もあるとかないとか。

睡眠の記録もありますが、これはFitbitの得意分野でもあります。標準機能ではFitbitの方が色々なデータが参照できます。また、昼寝も含めて24時間対応です。が、有料のサードパーティ製アプリを使えば、24時間の細かいデータを取れるようです。ただ、そのアプリの値段がどんどん上がっているのがちょっと…。昔の記事だと390円くらいだったのが、その後の記事では470円、現在は610円。サブスクリプションではなくて買い切りなので、一度購入してしまえば関係ないのですが、そのうちサブスクリプションになるんじゃないかと…。

文字盤カスタマイズ

実は今までも他社製品でできていたことを除くとあまり書くことがないことに気付きました。もちろん、各種のアプリが使えるとか、設定が楽とかあります。ただ、その辺は最初のうちだけで一過性でないかという疑問もあります。

そんな中で基本がヘルスケア製品であるFitbit Senceと比べて便利だと感じたのは文字盤カスタマイズの自由さでしょう。Fitbit製品は文字盤が色々ありますが、基本的に文字盤によって表示できる情報が決まっています。デザインが気に入っても必要な情報が表示されなければ他を探さないといけません。これが結構大変だったりします。デザインを見て、表示内容を見て、うーんこれはここがいいけどあれがない、それはその逆、とか。デザイン違いとか色違いとかも全て別の文字盤扱いになるので、探すのがなかなか面倒だったりします。

一方でWatchはあらかじめ決まった項目を表示するエリアが用意されており、そこに何を表示するかはいくつかの項目の中から選択できます。バッテリ消費との兼ね合いもありますが、デザイン性と機能性をある程度両立できます。その辺りはヘルスケアベースのスマートウォッチか、スマートウォッチベースのヘルスケアかの違いが出ている部分かと思います。バージョン違いもひとつの文字盤の中のオプション扱いなので総数が少なくて探しやすい反面、どういったオプションがあるかは開いてみないとわからないというのが痛し痒しです。

ねこあつめが便利

実はずいぶん昔から「ねこあつめ」というゲームをやっています。ゲームなのか癒しアプリなのか。Android端末からのデータ移行はできないので、また0から始めたところです。

この「ねこあつめ」ですが、Watchに対応しており、ペアリングしているiPhoneの状況を確認してスクショを撮ることができます。ただ、それだけです。餌の補充とかお礼の受領とかグッズの購入、配置等の一才の操作はiPhoneでないとできないのでただ眺めるだけです。でも、それだけでも和みます。パッと確認して目当てのねこが居たら撮影しに行ったりとか。

ちなみにこの「ねこあつめ」ですが、毎日更新されるキーワードを入力するとちょっとしたお礼がもらえます。Android版はそれをちまちまと入力する必要があるのに対し、なぜかiPhone版は自動で処理されます。これはちょっとずるいと。

このキーワード、なんて読むのかわからない=漢字変換できないケースもままあり、調べるのも一苦労だったりするので。最近はそういうキーワードはあまりないようですけど。
変換では出てこない漢字を使っていて、何度もエラーが出ては見比べてやり直し、ということを繰り返してきたのでiPhone版でキーワード入力を始めてした(しようとした)時には愕然としました。

ここは微妙

便利な面は多いですが、おやっと思ったものもいくつかあるので、それも書いておきます。

Macのロック解除に使える。どうやって?

設定はしてみたものの、イマイチ、ロック解除ができません。MacBook ProにはTouch IDが付いているので、そもそも無理にWatchでロック解除する必要はないのですが。

1passwordというパスワード入力支援アプリを使っていますが、こちらもWatch対応のオプションがあります。マスターパスワードを入力する場面でWatchのサイドボタンダブルクリックで済むのは楽ではあります。そこは助かっています。

iPhoneのロック解除に使える。ペアリングしているのはTouchID端末

最初に環境を書きましたが、ペアリングしているのはTouchIDがあるSE2です。逆にFace IDなのでマスクをしている13Proで使いたいですが、ペアリングしていないので使えません。あと、睡眠時無呼吸症候群と診断されているのでCPAPという機器を着けて睡眠していますが、それもエアマスクをするのでFace IDが通らないのです。まあ、スマホいじってないで素直に寝ろという話ですが、不便なのでSE2とかmini6、Air4といったTouchID端末を使いがちです。老眼で暗いところでの細かい文字は見にくいですし。

まあ、13Proのバッテリがなかなか持つのはわかったので、端末のストレージ容量に余裕があり、5G対応している13Proをメイン端末にすることは考えています。外出もほとんど機会がありませんし。

バッテリの安心感

今は常時表示をオフにして、1日使ってバッテリに余裕がある状態です。ただ、Senceは1週間くらいは余裕で持ったので安心感では劣ります。

別にSenceも毎日充電するのですが、睡眠データを取るために基本的に入浴時間に充電しています。消費量はケースバイケースでしょうから参考値ですが、自分の場合は1日使って大体85%前後の残量になっており、10分くらいの入浴で大体100%に戻ります。バッテリに負担はあるかもしれませんが、精神的なゆとりはあります。

一方のWatchはまだ状況を見ているところですが、30〜40%にはなってしまうので、一度充電の機会を逃したら、次の晩までは保ちません。また、充電時間も必然的に長くなります。そういう点で充電タイミングが難しく、ややタイトに感じます。

WatchのSuicaとiPhoneのSuicaは別物

Watchを理解している人なら常識なのかもしれませんが、自分は誤解していました。iPhoneのApplePayのモバイルSuicaと、WatchのApplePayのモバイルSuicaは識別IDからして違う別物になります。

ただし、iPhoneのモバイルSuicaをWatchに移動することはできます。もちろん、移動したらiPhoneではそのSuicaは使えません。設定すればSuicaが使えるようになりますが、それは別のSuica扱いで、チャージもそれぞれに必要です。Suicaはチャージ金額のやり取りができないので、実質、分けて使う意味はありません。いざというときの保険くらい?

Watchによる電子決済は微妙

実際、WatchにSuicaを入れて電車に乗ってみました。WatchがSuica対応したという当時から疑問に思っていましたが、やはり使いづらいです。

成人男性なので基本的にWatchは左手首に着けています。コンビニの決済端末は大抵向かって左側にあるのでまだマシです。しかし、鉄道の改札にしろ、バスにしろ、タッチポイントが向かって右側にあります。コンビニ決済くらいなら多少もたついても大丈夫ですが、交通機関のタッチ決済、特にラッシュ時間帯の混雑駅の改札ではもたつくことなんて許されません。

昔、スマホではなくケータイの頃にタッチに失敗してSuicaの入出場記録が正常に記録されなかったらしく、地元駅で外に出れなかったことがあります。それ自体は何度かやらかしたことがあります。
その場合、Suicaカードと同様に情報のクリアを駅員にしてもらう必要があります。これもまあ何度もやってます。が、ある時、何を思ったのか駅員が折りたたみケータイを無理やり開こうとして慌てて制止したことがあります。なんで人様の私物にそんなことしようとしたのか理解に苦しみますが、国鉄意識が抜けないJR社員なんてそんなものです。ましてやウェラブル端末をリセットのために渡すなんて、正直リスクが高いですので避けたいところです。そういう意味でも失敗はできません。

そもそも交通機関の改札等はカード携帯やスマホをタッチするのを前提に向かって右側の上面にタッチセンサがついています。腕時計型デバイスを前提に向かって左の側面にセンサがついていればともかく、どうしても使いにくいです。

そもそも手に持ったカードやスマホと、手首に固定されている腕時計デバイスでは稼働範囲が全く違うので、あまり電子決済デバイスとして向いていると思えませんでした。もちろん、腕時計だけでスマホすら要らないというのはある意味便利です。ただ、自分のWatchはセルラータイプでないのでどちらにしろiPhoneがないと全機能は使えませんし、財布に色々なカードを詰めて持ち歩くよりも遥かに楽なスマホの時点で十分満足で、腕時計ひとつになるメリットよりも、それによるデメリットが多く感じます。

そんなわけで、近いうちにWatchからiPhoneにSuicaを戻すかもしれません。

自分の記憶に間違いがなければ、Apple社製品がSuicaに対応したのはWatchが先だったかと思います。個人の感想ですが、おサイフケータイに非対応なことの救済手段としてWatchに決済機能をつけたのではいかとすら思っています。そういう点で、iPhone側がApplePayで電子決済に対応した以上、Watchでの電子決済対応は過去の遺産ではないかと思います。
そう思うくらい取り回しが不便に感じます。まあ、両手に荷物とか持っている時にスマホを出さなくても良いという意見はあるかと思います。でも、そんな状態で決められたポイントにWatchでタッチするのは、それはそれで苦行かと思います。Watch前提の設計になっていればもっと便利になるとは思うので、インフラ面を含めての将来の課題かもしれません。

なお、Fitbit製品やGermin製品も電子決済に対応しています。が、選択肢がApplePayに比べると限られるので使い勝手が悪いです。なので、ますます必要性が薄いです。

総論:便利だけどWatch単体でなんでも済ませようとまでは…

おそらく、セルラーモデルにして、Watch単体でなんでも処理しようというところまで行こうとすれば、もっと便利になるのかもしれません。ただ、今のところそこまでスマホを邪魔に思っているわけではないので、そこまでする必要性は感じていません。そういう意味で、Watchのポテンシャルを最大まで引き出していないのであろうとは思います。

Apple製品の売りは製品間の連携ですが、そこもあまり体験できていません。せいぜい、WatchのねこあつめでのスクショがiCloud経由で写真アプリに連携されるので、他のデバイスでもすぐに確認できるくらいです。また、Fitbit製品で電子決済の設定をしたことがないので分かりませんが、iPhoneから転送できるWatchの方が設定は楽かと思います。UIはiPhoneのウオレットに近いですから、そちらで設定したことがあればあまり迷うことがないかと思います。そういう意味での一体感はガジェットオタク以外の人にはメリットになりそうです。

そんな状態なので、イマイチWatchならではという部分を味わっていないのも確かです。今回、充電方式の問題でWatchへの移行を前倒ししましたが、iPhoneでFitbit Senceを使ってもWatchを使っても、大きな差を感じなかったのも事実です。まだ、1週間かそこらの話なので、これからの部分はあるかとも思います。が、ファーストインプレッションとしてはこんなものか?という感じです。ただ、今まで同種の製品を使ったことがない方は、一度試して…と簡単には言えませんし、店頭で試すというわけにもいかないのが焦ったいところですが、お近くにユーザがいたら見せてもらったりとかすると良いかもしれません。

今回はその辺の便利な点は触れていませんが、いちいちスマホを取り出さなくても通知をさっと確認できるとか、マナーでも電話の着信を見落とさないとか、便利な点は多いです。まあ、思いっきり装飾品としての腕時計にバッティングするので、なかなか手を出しにくい製品であるのも確かですけど。先日放送終了してしまったアタック25で司会の谷原章介氏が一時Apple Watchを着用していたものの、すぐに普通の高級時計に戻してしまいました。その辺の対策(アタッチメントにするとか)がないと、なかなか広まらないかもしれません。

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Posted by woinary