ラノベ感想:継母の連れ子が元カノだった3 幼馴染みはやめておけ

読書,ライトノベル,ラブコメ,学園,紙城境介,連れカノ

タイトルが長い上にサブタイトルも長いので二重に長いラブコメ作品。Webサイト発の長いタイトルというよくある作品。元々はアニメをたまたまみて気に入り、コミカライズを見てから原作に手を出してしまうくらいに気に入ってしまいました。今回は水斗と結女というよりは、小暮と暁月がメインの話です。

あらすじ

東頭いさなから水斗への告白は見事に失敗。しかし、その当の水斗に慰められたいさなは以前にもまして水斗依存状態を強める事態。見かねた結女は暁月と共にいさなの意識改善を図る。そんな状況で段々と水斗、結女、小暮、暁月、いさなで会う機会が増えるものの、どうにも微妙な関係なのが幼馴染みの小暮と暁月。小暮から2人の経緯をなんとなく聞いている水斗と違い、何も知らない結女は2人の関係をどうにかしようとするのだが…。

幼馴染みと恋人と

今巻はサブタイ通り、幼馴染みである川浪小暮と南暁月の微妙な関係にフォーカスした話。今まで水斗サイドでは小暮の口から暁月の様子を聞いているし、実際に入理戸家不法侵入事件を起こしていたのを目の当たりにしているものの、結女のためを思って詳細を伝えていないことが騒動の発端に。やはり報連相は大事ですね。

鍵っ子

某ゲーム会社の愛好者を指すのではない、本来の「鍵っ子」なんて言葉、久しぶりに見聞きしました。実は、自分は鍵っ子という言葉がまさに言われていた世代。かつ、自身も鍵っ子でした。ちなみに、Wikipediaにも以下のような記事がありました。

カギっ子(カギっこ、鍵っ子)とは、家庭の事情で、学校からの帰宅時に他の家族(保護者や親)が自宅におらず、自ら家の鍵を持参している子供の事を指す通称。

Wikipedia:鍵っ子 より

核家族化が原因とWikipediaにも書いてあるし、それも理由ではあります。が、大きな理由はそれよりも共働き化でしょう。核家族であっても片親が自宅に居れば鍵っ子にはならないし、自宅が店舗という働き方でも鍵っ子にはなりません。地方の実家を離れて都会に出てきた男女が共に会社勤めで結婚、かつ、母親も勤めに出ているひとりっ子家庭が鍵っ子というのが実際に鍵っ子だった自分の認識です。

今や共働き、かつ、ひとりっ子が当たり前になっているためか、その辺りの説明を省いてしまっているのでしょう。が、鍵っ子が問題になっていた頃の多くの家庭は共働きではなく、家に母親や兄弟が居るのが普通だった時代だからこそ、鍵っ子が問題になったと認識しています。そもそも田舎では鍵をかける習慣がなかったりもしますけど。

実際、中高生が主役のラノベは作品の都合上、親が不在(離婚や死別もあれば、仕事などで家を空けている)のケースも多いです。そういう作品を何作か読んでいますが、「鍵っ子」というキーワードを見たのは初めてじゃないかという気がします。たまたま当たらなかっただけというのはあるかもですが。

Wikipediaでは昭和40年代には鍵っ子に対する社会的な支援があったかのような記述になってます。しかし、周りにはそんなものはなかったように思います。ま、鍵っ子=団地世帯というイメージもあるので、団地住まいではなかったことも影響あるのかもしれないし、田舎だったからかもしれません。

そんなわけで、作中にある通り昔はわざわざそんな言葉を使うくらい少数派でした。が、Wikipediaにもあるように社会問題化するくらいではあるので、それなりに存在していたわけです。本当に少数の特殊事例なら、そもそもその言葉が生まれないので。今言われている少子化も、時代が進めば「今ではそれが当然なのに、昔はわざわざ呼び分けるくらい少数派」とか言われてしまうのかも。

幼馴染み

小暮・暁月同様鍵っ子ですが、彼らみたいな幼馴染みという存在は自分にはありません。そもそも友人がいませんけど。そんなわけで、ラノベなどで幼馴染みが出てくるたびに「そういう存在もあるんだな」という程度の思い入れしかありません。その中でもかなり特殊なのが本作の幼馴染み、川波小暮と南暁月ですけど。

正直、元カレ元カノが義理のきょうだいになるシチュエーションは確かにレアと思います。が、幼馴染みが恋愛関係に発展して別れることになることはラノベじゃなくてもありそうなのですが、幻想なのでしょうかね。現実には暁月のような幼馴染み兼元カノはウルトラレアって感じですが、世の中の幼馴染みたちはどうしているのやら。現実的なようで非現実な関係性をどう解釈したら良いのか、いまいち今巻は解釈に迷ったのも事実です。

ま、結局、大学生にでもなれば家を出ることになるでしょうから、幼馴染みカップルが別れても影響は限定的なのかもしれませんが。

珍しいといえば、ここまでサブキャラ同士の関係性に着目するのも珍しい気はします。そのせいか、アニメでも3巻の内容はスキップされてますね。他作品なら0.5とか番外編とかになりそうな内容だった気もします。

実名登場

ちなみに、本作は会社や製品名などが結構実名そのまま出てきます。水斗やいさながライトノベルを読むこともあって、同じスニーカー文庫の涼宮ハルヒシリーズの作品名や登場人物名がそのまま出てきますし、LINEやグーグルなんかもそのまま。多くのラノベでは登録商標は改変するのが普通なのですけど(LINEじゃなくてRINEとか)。

舞台も京都府京都市のようですが、それも明記してますよね。都道府県名はともかく市町村名は架空や伏字の作品が多い中、珍しいですね。角川関連はよいとして、グーグルとかLINEは許諾とってるのでしょうかね。ただ、それらの登録商標が登録商標である旨を示す一文がないのが気になりますが。使うなら使うで仁義は通すべきかと。角川は知的財産権に関する認識が甘いのですかね。ま、LINEやグーグルがそれを許しているなら余計なお世話ですけど。

つか今時の中高生はiPhoneというイメージですが、「オーケーグーグル」を使うということは水斗はAndoridなんですね。

公式サイト

既刊感想