ラノベ感想:ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編6

読書,よう実,ライトノベル,学園,衣笠彰梧

エグい満場一致試験は終わったものの、その影響が残る中体育祭の日程が迫る。堀北はクラスのリーダーとして、荒れるクラスをまとめて体育祭で勝てるのか?!

あらすじ

退学者を出しながらも満場一致試験は完了。しかし、クラスに与えた影響は大きかった。そんな中、結果的に前言を違えて裏切り者の櫛田を救い、関係ない佐倉を退学に追い込んだ堀北もまた自責の念に苛まれる。

そんな状況でも体育祭は待ってくれない。今回は活躍した個人への褒賞も用意されると共に、団体戦に得点が多めに配分され個人競技だけではポイントを稼ぐのは難しい。

満場一致試験を切り抜けてそれぞれ成長したクラスのリーダーたちを見守りつつ、綾小路は静観を決め込む。その思惑は?

リーダーたちの成長と、綾小路の目論み

今回は体育祭がメインではありますが、個々の競技についてはあまり細かく触れていません。どちらかと言うと、前巻で壊れかけた堀北クラスの再構築と、主要人物たちの成長を描いています。それに伴い、体育祭はほぼ結果だけのものとなり、綾小路もほぼ静観で暗躍すらもしていません。まあ、最後にちょっと裏で自分の目論みもあって動いていましたけど。

そう言う点では、あまり盛り上がらない中継ぎ巻のようにも見えますし、実際、本番はやはり次の特別試験になるかと思います。今回の体育祭は学年毎の再会クラスのクラスポイントにマイナスこそあれど、個人ポイントもクラスポイントもそれを補ってあまりあり、あまりネガティブな面はないイベントでしたし。

堀北の成長

リーダーとして頭角を表しつつある堀北。かつての独善的だった頃と比べるとリーダーとしてAクラスを目指すようになってからは、やや不安を感じたせいかうまく取りまとめることを重視するあまり、堀北らしさが失われていた感もあります。

前巻の満場一致試験での挫折に近い経験と、今回のクラス再構築を自分や平田たちと切り抜けたことで、少し自信を取り戻したように感じます。リーダーはやはり、自分はこう思うというビジョンを示せないとリーダーではないと言うのが自分の考え方です。それに対する反発も出てくるでしょうが、そこは全員にいい顔はできないので、リーダーが道を示して引っ張るしかありません。

静観する綾小路

一方で綾小路は軽井沢とのイチャラブを楽しむ様はシリーズ開始時と同一人物とは思えません。今回、綾小路は積極的に動くことはなく、クラスの掌握にちょっと手を貸すくらいです。体育祭での戦略についても堀北中心でまとめて、堀北が動き、綾小路は背後に控えるのみ。最終的に坂柳対策にちょっと手を貸したくらいでしょうか。

その理由や今後の暗示については、今巻の終盤の坂柳との邂逅の中で語られています。今まで綾小路が「堀北のクラス」と表現していることが不思議ではあったのですが、そういうことを考えていたとは。まあ、まだそこまで明示されてはいませんけど。でも、その場合、軽井沢の扱いはどうなるのでしょう。前巻だったか、切り捨てる発言とも取れる部分があったので気になります。軽井沢とリア充している綾小路も嫌いではないので。まあ、佐倉との絡みを期待していた向きには不満かとは思います。

高校生活も折り返し

3年の高校生活のうち2年目の秋の体育祭まで進み、折り返し点を迎えました。次は文化祭でしょうか。痛みを伴う満場一致試験を乗り越え、堀北クラスもAクラスへ向けて動き始めました。まだまだ、内に外に課題も多く、最後の壁として綾小路がどう動くのかも気になります。ホワイトルームからの刺客の件も解決しない中、新たな人物(正確には既出の人物なのでしょうが、新たな立場の表明?)がラスト近くで登場、残り半分も楽しみです。

公式サイト