ラノベ感想:ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います5
すべての社畜に贈る、理不尽をなぎ倒す(物理)スーパーヒロインの物語。公式略称「ギルマス」も5冊目。読者にはすでにその素性が明かされていたある人物と魔神たちとの関わりも描かれ、さらにはアリナに縁の深いとある人物も登場して爆弾発言をかましていく衝撃の5巻です。
あらすじ
前回の騒ぎも落ち着き、見た目では平然としているアリナ。そんな彼女が忌み嫌う「残業」、しかもサビ残してまであらゆる手立てを駆使して実現させたのが、有名リゾート地での受付嬢研修。
あらゆるテクニックを駆使し、使える補助は全て使って形ばかりの現地受付嬢との交流以外は全てお楽しみという「研修旅行」を実現させたアリナだったが、楽しい1日目が終わった後に待っていたのは…。
リゾート地での研修旅行のワクワクが止まらない第5巻
ラノベではありますが、働き方とか上司と部下の関係性とか、色々考えさせる物語でもあります。まあ、もう自分には関係ないですが。
今回も、回想パートですが自分のミスで迷惑をかけたと謝罪してきた部下に対して上司の言葉がこれ。
「去年のことは気にするな。室長はメンバーのために頭を下げることも仕事だからさ。人間である以上、誰にだってミスはある」
過去の回想より
いや、こういう上司と仕事したいものです。
リゾートでもアリナさんはアリナさんだった
さて、万難を廃して有名リゾートでのお楽しみプランを作成したアリナさん。旅を満喫します。しかし、色々と腑に落ちる話が出てきてアリナさんはアリナさんだと感じてしまいました。いや、ほんとにストレスが溜まるとそれは食べる方向か買い物する方向に流れます。
「日々の鬱憤には、暴飲暴食こそが正義なのよ。ストレスと砂糖は等価交換なの!」
アリナのセリフより
そんなアリナさんですが、現地の受付嬢からはこう言われてしまう始末。
「や、やっぱり、間違いないわ……!このお方こそ”鉄腕残業マスター”のクローバー様よ!」
リーティアンの受付嬢のセリフより
これには裏があって、最近の残業にジェイドを付き合わせて単純に戦力が2倍な上に、そのジェイドの事務処理能力が高いために、アリナが一人で数人分の事務能力がある、という噂を生んでしまっていたのでした。本人の知らないところで。
どこにいてもジェイドはジェイドだった
さて、今回の魔神は過去の魔神の中でも最強と呼べるような強大な力を持ちます。そんな時でもアリナさんの盾はジェイドです。今回もさらっとこんなことを言い放ちます。イケメンが最高にかっこいい一言を言い放つのですから、反則です。
「絶対死なないって。俺は、何があってもアリナさん一人にはしない」
ジェイドのセリフより
ただ、今回、ジェイドやアリナに1つの疑惑が浮かび上がります。物語のキモになるかもしれないのでここでは明かしませんが、ジェイドはなぜこんなにもタフなのか。このセリフの後、ある存在の力を借りて、ジェイドは身につけたスキル以上のスキルを行使します。行使しまくります。その翌日に平然とイフールの街に戻ってきているのですから、彼や彼女の存在が一体なんなのか、というのは色々考えてしまいます。
今までならば、それはジェイドの類まれな想いが故にと考えていました。が、そもそもなぜジェイドはアリナにこんなに一途な想いを向けるのか。今回、ある存在が彼や彼女らについて同じ言葉で2度も疑いを向けているあたりが気になります。
暗躍する「あの方」と「あの人」
4巻の感想にも書きましたが、最近ちょこちょこ出てくる二人。いや、本当に二人なのか同じ人物なのかもよく分かりませんでしたが、【剣聖】(正確には四代目【剣聖】)と【大賢者】なので違う人物なのでしょう。今回もちょろちょろしてました。特に【大賢者】はアリナの眼前に出てきて決定的な一言を言い放ちます。
「いいこと教えてやるよ」
【大賢者】のセリフより
「お前の持ってる、そのスキルは、神域(ディア)スキルなんかじゃない」
「本当の名は」
「<全てを砕く者>(ディア)」
正確には【大賢者】がアリナに語った際には全ては明かされず、後の戦闘の際に【大賢者】の言葉の復唱としてアリナの口から語られます。
このスキル(の様なもの?)を得るに至ったアリナの思いは以下の文章に集約されているかと思います。
あの日からアリナはずっと思っていた。残酷な現実なんて全部他叩き潰してやりたいと。
理屈も道理も全て力でねじ伏せて、当然のように目の前に横たわるムカつく事実に、風穴をぶち開けてやりたいと。
が、想いだけならアリナ以外にも居たはず。なぜアリナなのか。【大賢者】はどこまで識っているのか。そして、【剣聖】は何を企んでいるのか。
今後の行方は
5巻までで魔神関連の話が一通り完結したのかと思います。いわば第一部完。そして、今回、ジェイドとは別に【大賢者】の調査に向かった白銀の二人の話が次巻(以降で)語られるでしょう。新たなステージに入った「ギルます」ですが、ギャグの中にしれっとシリアスを突っ込んでくるので油断できません。
公式サイト
ちなみに、アリナがディアを発動するときの黄金のハンマーを見ると、ついつい某勇者の「ゴルディオンハンマー」を思い浮かべてしまい、「光になれ!」と呟きたくなってしまいます。
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