持続可能な効率化
世の中、RPAだノーコードだ、ローコードだ、DXだと騒がしいです。すごく大雑把な括り方をすると、どれも要は各種の問題を解決するために効率化を進めましょう、という話だと理解しています。
しかし、どれにしてもなかなかうまくいかないということもよく聞きます。一体、どうしてでしょう?
例によってポエムです。
日本ではやっていると言われるRPAの現実
自分が前職にいた最後の3年程度、社内向けのRPAサービスの事業化に関わっていたことがあります。RPA立ち上げたいという会社を色々支援しましたが、うまくいったところもあれば苦戦したところもありました。
セミリタイア後に某質問サイトで質問に答えていますが、その中でRPAに関するものもあり、苦労していたり、そんなにうまく行かないのではないかという疑問が持たれていることがわかります。
情報システム界隈の人間から見れば、これってExcelマクロ地獄やAccess地獄の現代版だよな、というのを薄々感じているかと思います。
日本でRPAが流行り始めてからそれなりに時間も経ったので、そろそろ「作った人がいなくてわからない」、「中身が分からないので改善もできない」、「業務を変えないといけないが自動化してしまったので誰も対応できない」という、かつての地獄が再現している頃ではないかと思います。
もちろん、そんなことなく、うまく活用できているところもあるでしょう。その違いはどこにあるのでしょう?
持続可能な効率化のために必要なこと
これは別にRPAに限った話ではなく、ノーコードやローコードも同じだし、DXも同じでしょうし、かつてのExcel,Access地獄も同じです。
RPAの自動化とか、Excelマクロの活用とか、あるいはノーコードやらローコードやら自体を使って自動化とか効率化とかすること自体は、それほど難しいものではありません。
もちろん、個人差はあるので誰でも簡単とはいいません。もっとも主に国産のRPAツールとか、誰でもできる!簡単!というのを売り文句にしていましたけど。ただ、作ること自体よりも問題になるのが、持続可能な仕組みを作ることだったりします。
RPAの導入支援をしていて多く見かけたのが、ものを作ることは一生懸命だけど、それが結局個人ベースだったり、それを持続する体制がなかったりすることでした。かつてのExcel地獄と同じです。
自分も開発作業の中でちょっとしたツールを自作して自動化、効率化したりしましたが、それはあくまで自分の作業の効率化であって、それを横展開しようとは思っていませんでした。
なぜかといえば、横展開できるものを作るのはそれなりに大変だからです。自分だけ使えれば良いものであれば使い捨て覚悟でパパッと作りますが、自分とはスキルや知識の前提が違う他人が使うことまで考慮したら、それはもう開発作業になってしまい、ある意味本末転倒になります。
持続可能な仕組みとは
持続可能な仕組みとは、ほとんどの場合は組織作りです。ちゃんとヒト、モノ、カネを与えて組織でやらないところの多くは失敗しているように感じます。既存業務の兼務でチャチャっと自動化するというのも(その人のスキル次第ですが)できなくはありません。
できなくはないですが、結局はその人がいなくなったら途端に崩壊したりします。それを防ぐためには、規約を作りちゃんと管理して…と始めるとあることに気づきます。これって結局システム開発と同じじゃん、と。
まあ、例えばRustと比べれば多くのRPAツールは敷居が低いし、Rust習得する時間よりも短い時間で使いこなせるとは思います。
ただ、それは結局、RustよりもVBの方が簡単だよね、と言ってるのと変わりません。
組織と言ってるのは、別に専門の部署を作れという話ではありません。それに越したことはないですが、ようはプロジェクトの体を成さないと失敗する(ことが多いだろう)という話になります。つまりはプロジェクト管理ができるところじゃないとRPAはうまく行かないし、ノーコードやローコードも同じだし、DXも多分同じです。
その辺、なんか現場も雲の上も、なんか入れればうまくいくと思ってる節があるのですよね。ツールはあくまで道具であって、結局はヒトなのに。
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