ラノベ感想:継母の連れ子が元カノだった5 あなたはこの世にただ一人
元々はアニメを見て、コミカライズを見て、原作に手を出したのが昨年末頃。その後、ちょっと他作品、特にKindle Unlimited対象を中心に読んでました。久々に続きを読みたくなったので、Kindleのポイントアップの夏のキャンペーンを利用して5巻と6巻を購入。まずは5巻から。
あらすじ
ついに自分の気持ちに気づいてしまった結女。しかし、当の水斗は何を考えているのか相変わらずわからない。一方、水斗は水斗で結女の考えが分からず困惑。そんなわけでいつものようにいさなで癒されていたのだが、それが学校内で尾鰭が付きまくって流れる羽目に。不意に注目を受けギクシャクする水斗といさな。しかし、結女も思わぬ展開に頭を抱えていた…。
普通とか常識って難しいよね
今回のヒロインは表紙からしても東頭いさな。彼女の家族関係や今のいさなの人格形成のきっかけとなった話がところどころ織り込まれます。変人揃いの本作の中でも変人さではトップを争う(と言っても、他の面々も強者揃いですが)いさなが、今のような考え方に至った経緯に触れることができます。
「変な子」東頭いさな
人気の少ない図書室での「密会」での「いちゃいちゃぶり」からすればいつ噂になっても不思議ではなかった二人の関係性。意外と学校外での「デート」をきっかけに広まることに。
本作の登場人物たちは一見ステレオタイプなよくあるラノベキャラですが、ところどころ捻くれている(褒め言葉)感じがします。いさなもその拗らせ具合はなかなかのもの。自分も空気読めないのでいさなの想いはなんとなく分かる気も。気軽に「普通」とか「常識」とか口にしますけど、その普通や常識とやらの厳密な定義なんてどこにもないですからね。結局は忖度してお互いに暗黙のルールを探り合う。そこから外れると「空気読めない」と怒られたり、締め出されたり。みんな違ってみんないいと言いつつ、同じことを期待される。
ただ、この高校では多少浮いていてもドラマやマンガのように鬱陶しく仲間に入れようとしたりしない上に、いざとなれば構ってくれる感じでとっても「優しい世界」ですよね。進学校という設定もあるのかもしれませんが、だからって他人に優しいとは限りませんし。作品によってはいさなみたいなキャラはいじめにあいそうな感じですから。
「隠れ厨二」伊理戸水斗
一見常識人ぽいが、ある意味拗らせまくっているのが水斗。いざとなればなんでもソツなくこなせる高スペックで、同級生女子からも実はウケがいいという、ある意味無自覚系俺TUEE無双キャラ。よく考えれば器用貧乏?
まあ、そんな彼もやはりできないことがあることが今巻のクライマックスで明かされることになりますが。
水斗に限らずまだ高校1年生。何でもカンペキにこなせるわけがないのですけどね。ラノベではそんなカンペキ超人が頻出するので忘れがちですけど。
「愛すべきポンコツ」伊理戸結女
まあ、頑張れば誰でも学年トップになれるわけではないので、それを実現している結女も高スペックなのは確か。ただまあ、陽キャの皮を被った陰キャなので、色々ポンコツな部分が目立つわけで。後書きでも放っておくとすぐ負けヒロインになりたがると作者が書いてますからね。
ま、根が善良というか、変なところでこだわりがあるんでしょうね。そんなとこ血が繋がってないはずなのに「きょうだい」みたい。もっとも、本作の主要人物はどいつもこいつもそういう変なこだわりに凝り固まってそうですけど。
結局、みんな変人、だから普通
そんなわけで本作の登場人物たちはどいつもこいつも変人ばかり。まあ、エンターテイメントなんだから当たり前です。そういう尖った部分がないと、読み物として面白くないですから。
人間、ちょっとしたことで事故に遭ったり、犯罪に巻き込まれたり。人生なんて簡単に狂います。今まで無事に生きてきたからといって、それが将来の無事を保証するわけでもない。時代も普通も常識も簡単に変わります。そんな中で、色々と変な部分や生きづらい部分を抱えた彼ら彼女らがぶつかり合いながらも成長していく感じが、個人的には気に入っているわけです。
というのを、今回のいさなをめぐる騒動で改めて噛み締めている今日この頃。引き続き、6巻を読んでいます。
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