ラノベ感想:本好きの下剋上 第5部 女神の化身I

読書,ライトノベル,本好きの下剋上,異世界,香月美夜

サブタイトルつけると長すぎるので外してます。正しくは 本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身1」です。

来春からアニメ第3期が始まるそうです。第5部完結するまで待とうかと思ってましたが、その話を聞いてついつい読み始めてしまいました。短編集や外伝を除いた本編では通算で22巻目になります。

なお、アニメは第2部の途中まで進んでいます。アニメをどこまでやるかわかりませんが、仮に完結までやるとしたら、相当先までかかりますね。

あらすじ

第4部の最後で生い立ちの秘密が明かされフェルディナンドがエーレンフェストを離れることになった続き。ローゼマインが貴族院の3年目に。

領内の派閥抗争やフェルディナンドとの別離を経てなんとなくバタバタしている貴族院のエーレンフェスト寮。中央から上級司書が送られてシュバルツとヴァイスへの魔力供給の必要がなくなり、図書委員の仕事が上級貴族しか入れない部屋の鍵の管理になったりと、色々変化も出てきた3年目。

ダンケルフェルガーの歴史本や恋愛物語、ディッター本も好調で順風満帆のようだが、3年目の学生が神々から加護を得る儀式でまたもローゼマインの規格外が発動。それを発端にエーレンフェストと3つの他領地との、領地対抗戦に向けての共同研究が動き出す。

王族や他領地の注目を集め始めたローゼマインとエーレンフェストに試練が迫る。

いよいよ第5部スタート

外には政変とローゼマインのもたらした革新による領地順位の躍進から生じた王族や中央、他領地との軋轢を抱え、内には他領地も絡んだお家騒動と派閥抗争に揺れるエーレンフェスト。アウブであるジルヴェスターは領内の派閥抗争に終止符を打つべく粛清を決意する。というのが第4部の最後。

第5部はその続きからですが、視点は貴族院のローゼマインであり、エーレンフェスト領内の話はアウブ等の保護者たちからの手紙といったものの伝聞になります。その辺の話の多くはプロローグであらかた済んでしまうので、第5部1巻の話の中心は貴族院でのローゼマインになります。フェルディナンドがエーレンフェストを離れた後のローゼマインたちの貴族院での奮闘が話の中心です。なにしろ、ただでなくても人手不足で仕事詰め込みのフェルディナンドが去った上に、粛清で貴族が減るのですから、多くは語られていませんが領内はてんてこまいでしょう。そういう意味では貴族院の生徒たちも大変とは言え、呑気な部分もあります。

また、貴族院のエーレンフェスト寮もローゼマイン、ヴィルフリート、シャルロッテの3領主候補生を導いていた上級生も少なくなり、良くも悪くも3人が貴族院でのエーレンフェストの代表になります。そんな中で「エーレンフェストの聖女」であるローゼマインは良くも悪くも目立ちまくり。

話の区切りだがあまり違いはない第5部

本好きの下剋上もついに第5部。今までの部構成はこうなっています。

部タイトル冊数
第一部兵士の娘3
第二部神殿の巫女見習い4
第三部領主の養女5
第四部貴族院の自称図書委員8
第五部女神の化身6(以下続刊)
本好きの下剋上・部毎のタイトルと冊数

第一部はタイトル通りに兵士の娘時代。第二部はそこから神殿の青色巫女としての時代。第三部は領主の養女となり神殿長として領内の改革を進め、第四部では貴族院に入学して他領や王族、中央とも接触を持ちます。

そういう意味では、第五部は今のところ第四部と余り違いがありません。各部の切れ目ではそれなりに大きな事件がありました。
第一部の最後は身喰いとして死ぬしかないと思われていたところで神殿に入るという新たな選択肢が提示されて生き残ることができました。第二部の最後は神殿長等の一部の貴族に命を狙われた挙句、元々の予定ではありましたが急遽領主の養女として神殿長になります。また、マインからローゼマインになり、下町との繋がりはなくなりました。
第三部の最後はまたしても一部の貴族に狙われ、元々予定されていたものの急遽眠りにつくことになった上、毒の影響で2年の月日が流れてしまいます。

そういう意味では第四部はフェルディナンドとの別離というある意味大きなイベントがありましたが、立場とかはあまり変わっていません。とは言え、部タイトルも「女神の化身」ですから、今後そういう立場になっていくのでしょう。今までの部タイトルは各部の1巻時点での立場だったのが、第五部はそこへ至る道になったのが違いでしょうか。

続きが気になる病

作中で本好きウィルスとかとともに出てきたパワーワード、「続きが気になる病」ですが、本当に毎回、続きが気になります。今回はダンケルフェルガーの領主候補生、レスティラウトが色々匂わし案件です。

まあ、学生とは言え領地間の競争もある貴族院。現在第2位の大領地の領主候補生の筆頭ともなれば、これくらいは考えてないといけないのでしょう。そういう意味ではローゼマイン3年目のエーレンフェストはちょうど中位の8位ですが、全然危機感がありませんね。政変ではそれなりに大変だったものの中立で無難に過ごし、漁夫の利で中位に浮かび上がった上で、ここ最近の躍進の全てはローゼマイン絡み。らしいと言えばらしいエーレンフェストですが、ローゼマインだけでなく領地としてどう王族、中央や他領地と渡り合っていくかが第五部の見所かもしれません。

少しは下町成分が欲しい

貴族院が話の中心で、エーレンフェンスト領内の話はほとんどなく、あっても城内での派閥抗争の話ばかりで、ルッツ分やトゥーリ分が足りない今日この頃。ローゼマインが王族や大領地と渡り合うのも良いけど、たまには下町成分も欲しいです。

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