ラノベ感想:転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件3

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お互いを意識し始めた隼人と春希に夏がやってきた。バイトに買い物にプールにとイベント盛りだくさん。月野瀬の沙紀を含めたグループチャットが始まったり、新たな人物も登場したりと、昔と変わらないような二人を取り巻く環境も関係も徐々に動き始める。

あらすじ

夏本番。昔通りの幼馴染の関係を続ける隼人と春希だったが、お互いに相手を異性として意識し始める。そんな中、姫子の親友、沙紀が送ってきた自撮り写真を見た春希は、ある想いと共に沙紀を含めた月野瀬グループチャットを始める。一方の沙紀も春希の存在には複雑な想いを抱く。
今まで猫を被り、他人との距離を意図的に置いていた春樹がみなもや沙紀と積極的に距離を詰めようとし始めるのを好ましく思いつつ、隼人も春希との距離感を掴みかねていた…。

バイトやプールで浮かれつつも不穏な空気も漂う第3巻

今巻は表紙を見ても分かるとおりの水着巻です。まあ、水着というかプールのシーンは一部ですし、そもそも表紙の水着は作中に出てくるものと違いますけど(カラー口絵に出てくる方が作中のもの)。

薄幸の美少女、沙紀の未来が心配

と言うか、月野瀬での盛り上がりぶりを見ると、隼人が沙紀ではなく春希と付き合いますなんてことになったら、村八分されそうな勢いです。元々、月野瀬での春希の立ち位置は微妙ですし。

それはさておき、何となく個人的に応援したくなってしまうのが神社の一人娘で姫子の大親友である沙紀。グルチャでの浮かれっぷりといい、対面での不器用さと言い、王道妹キャラでしょうか。たいてい報われないのが確定しているとも言えます。ましてや、本作の場合、はるはやペアがほぼ確定していると思っているので、隼人にはフラグを立てた責任を取っていただきたい所存であります。1周回って帰ってきた王道鈍感系ハーレム主人公隼人に感情移入できない一つの理由がこれですね。いい奴なんだけど、それだけ。でも、フラグを立てまくる。

そんなわけで、沙紀と本作の将来が心配な今日この頃。このまま、変にフラグを立てるヒロインを増やしてだらだらと続けるつもりなのか。急に母親の話を出してきたあたり、3巻でおしまいのラインを超えて続刊が決まったのかもしれませんが、作品的にはそれが吉となるか凶となるか。

謎の男との邂逅

隼人の母が入院している病院と、巨大複合施設で春希と出会った謎の男。どうやら、春希の母の関係者っぽい感じです。少なくとも芸能界関係なのでしょう。まだ詳細は明かされていませんが、春希とその母親の明かされていない関係を知らないまでもある程度察しているような感じです。

その辺は今後出てくるとして、プールでの唐突な「演技」の話が今度どう絡むのか。血は争えないみたいな話になりそうな感じですが、演技の練習も訓練もおそらく何もしていないであろう春希が魅せる演技力が少し唐突すぎな感じです。何の前置きも伏線もなかった(と思うのですが…)のに突然湧いてきましたし。まあ、擬態(猫被り)は完璧だったわけですけど、それが伏線というのもちょっとどうかと思いますし、今まで本人が避けていたこともあって芸能界とか演技とかの話はほとんどなかったと思います。今巻あたりで急に話題になってきましたが、なんか路線変更?

母との関係が険悪な春希に母親が仕込んだとも思えないし、春希の方が密かに練習していたとかもあり得なさそうなのに、才能だけでやってのけたというのであれば、ちょっと興醒めなのですが。

ちょっと、今後の方向性をどうしたいのかがよく分からなくて不安を感じるシーンでした。

そして月野瀬へ

今巻の最後は隼人、春希、姫子が月野瀬に戻って先が出迎えたところで終わります。あちこちでフラグを立てまくってる隼人に修羅場が迫っているとも言えますが、結論は見えているのでどう対応していくのかですね。

正直、3巻で二人のハッピーエンドで終わった方が良かったように思いますが、それを覆してくれることを期待しています。

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