ラノベ感想:蜘蛛ですが、なにか?14
エルフの里への侵攻開始。魔王はシステムによって世界が変わる前の時代を回想しながらポティマスとの一騎打ちに臨む。一方、「白」はエルフを根絶やしにするために持てる力の全てを投入する…。
あらすじ
ついにエルフの里を守る結界まで辿り着いた「白」とアリエルたち魔族軍。クイーンタラテクトを主軸とした蜘蛛群団と帝国軍と魔族軍で挟み撃ちしたものの、ポティマスは機械化軍団で対抗する。魔王は因縁の相手であるポティマスとの一騎打ちを望み、「白」は危惧を抱きながらも機械化軍団の掃討に乗り出す。しかし、ポティマスの機械化軍団の物量は、「白」の想定を超えるものだった。
世界を変えることになった人類の過ちとそれぞれの立場での決断を回顧しつつ、魔王はポティマスの用意したグローリアΩと死闘を繰り広げる。「世界の敵」との戦いの火蓋が落ちる。
回顧と終焉の第14巻
エルフの里侵攻
ついに始まったエルフの里侵攻。しかし、結界を破るのにあんな手を使っていたとは…。
そして、次から次へと現れるポティマスの秘密兵器。「白」じゃないですが、そりゃどんだけエネルギーを溜め込んでるんだと言いたくもなります。それが全てギュリエ対策だったわけで。しかし、「白」がDの力を借りて破った結界をギュリエが破れるのかわかりませんが、破れるのであればギュリエにはやっぱり敵わないということになりそう。
クライマックスの八百万の蜘蛛目はぜひ映像で見たいところですが、ここまでアニメ化するとなると、1期の規模で3期までやらないと無理ですね。
世界の崩壊と偽りの再生
エルフの里への侵攻とともに綴られるのがMAエネルギー利用により世界が崩壊一歩手前まで行った経緯と、システムの起動について。魔王の走馬灯だったようですが。
一般市民のほとんどは何も知らず巻き込まれただけかとは思いますが、まあ酷いものです。まあ、それを後押ししたのがポティマスなのですけど。その研究結果が世に広く活用できるというタチのものでもないので、本当に何のために生きていたのかと言いたくなるし、世界の敵と言われても仕方ないです。星を道連れに好き勝手した挙句に逃げ出そうとしたのですから。龍たちももう少し人間世界のことをわかっていれば、ポティマスだけをどうにかすれば良いという考えに至れたかと思うのですが。そうすれば星から旅立つこともなかったような…。
で、何かと悪様に言われがちなDですが、彼女?からすれば人類だけでなく龍も含めて自業自得なわけで、望み通りに救済したのに何だかんだと言われる筋合いはないと言いたくなりそうな気はします。ギュリエが泣き付かなければDはこの星のことなんてなんとも思わなかったでしょうし。
面白さ優先と言いつつ、裏メニューをちゃんと用意しているし、「白」の読み通りならば世界を今の状態に陥らせた原因はギュリエの怠慢というか、頭の硬さと優柔不断さによる部分もかなりあるように思います。まあ、外の世界から来たしがらみのない転生者だからこその発想とも言えるので、ギュリエばかりを責めても仕方ないのかもしれません。
そう言う意味では主犯がポティマス、共犯がギュリエ、幇助がダスティンなのですけど、それで偉そうにしているギュリエって何なの?と「白」寄りの自分は思ってしまいます。これから自分は貧乏くじを引くみたいなことをほざいてましたが、サリエルにアピールしたいだけの自己満足野郎なんじゃないかと。
ポティマスが「クズ」だとしたら、ギュリエは「ヘタレ」かな。ストレス発散のために人族に混じって暮らしている内に感情移入してしまったりとか、孤児院の子供たちの件で感情移入してみたりとか、割と公私混同した挙句に、何が一番大切なのかを見失っているようにも感じます。そういう意味ではある意味ポティマスより嫌悪感を感じることもあります。ポティマスはクズだけど、ある意味自分大事で自分に正直でわかりやすいクズであり、そのことに対して綺麗事は一切言わないですから。
そして、「人類の敵」になる
今巻で「白」とギュリエがこの先激突することがほぼ確実になりました。
ギュリエは人として生きたこともあり、またサリエルが守ろうとしていた人類(おそらく、人族と魔族を合わせた呼称)に対して、もう十分な代償を払ったのだから許すべきとの考え。そして、アリエルも今まで人族に手を出さなかったのは、同じ様な結論を得たのではないかという考え。
しかし、人類を害悪と見做して攻撃した真なる龍の末端であったギュリエが人類側立つことになるとは。
一方で「白」は世界は救うが、人類に敵対することを宣言。もっとも、すでに邪神宣言をしています。
人類の敵になると言っても、別に人類を虐殺して回るみたいな意味ではないと思います。積極的に人類を救おうとはしないし、世界を救う際に大量の人類の魂が崩壊することを辞さない、というだけで。その方針故にギュリエやダスティンとは衝突がありそうですが、人類のある程度の数を救う段取りさえできれば、ダスティンとは強調できそうにも思いますし、ギュリエも納得させられそうなのですが。流石に、魔王だけでなく先生にも恩義を感じているのに、エルフに続いて人類も根絶やしにしてやろうとは思っていないと思うのですが。
果たして、「白」はどのように世界を救うのか。
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