ラノベ感想:蜘蛛ですが、なにか?2
異世界最大の迷宮上層部で蜘蛛に転生した「私」。下層に落ち、猿の軍団を打ち破り、辿り着いたのはマグマ地獄の中層。糸が使えず、火にも弱いと長所を封じられた蜘蛛子さんのサバイバルはまだまだ続く。
あらすじ
大迷宮の上層から下層に落ち、何とか猿の軍団を打ち破った「私」の前に広がるのはマグマの海。もともと火には弱い蜘蛛モンスターである上に、唯一の武器だった蜘蛛糸も燃えてしまうために使えない。その一方、相手はマグマの海から火の玉を打ち出してきて遠隔攻撃手段を持たない蜘蛛子さんに打つ手なし。
この状況を打開するため、使えない「探知」スキルを使えるようにするために、スキルアップを目指す蜘蛛子さんはついに「並列意思」を手に入れる。さらにカンストした「鑑定」に上位や派生のスキルがないことに愚痴っていると、突如「叡智」を構築したとの天の声(仮)が聞こえる…。
一方、地上のシュンは学園に通うことになり、他の転生者たちとも出会う。その中でも、前世でも男子の中心だったユーゴーはやたらとシュンを敵視してくる。
そして魔王はついに人類への戦争へと動き出し、そんな中、シュンに突然「勇者」の称号取得を告げる天の声(仮)が聞こえる…。
迷宮も地上も大きな展開が出てくる第2巻
アニメ、コミックを見た上で原作を読んでいるので、原作では先の話も少し入っていますが、ご了承ください。
進化を繰り返しスキルを磨く蜘蛛子さん
今までも進化はしていますが、なんたらタラテクトの枠内だった蜘蛛子さん。初めて選択肢としてゾア・エレが出てきました。まあ、蜘蛛ですが、なにか。
進化も大概ですが、今巻の最大のポイントは「傲慢」と「叡智」の取得でしょうか。特に「叡智」は元々は存在しなかったスキルで、蜘蛛子さんの愚痴から生まれたスキルです。まあ、単にスキルを作るだけでなく、関連する称号とか派生スキルとかセットで即座に用意するあたり、邪神Dも大概です。
また並列意思によりついに別人格(蜘蛛格?)が登場。今巻では体担当と魔法担当1号までですが、一人でも(心の中では)饒舌な蜘蛛子さんが3人分になってまさに姦しくなりました。まあ、ゆくゆく並列意思達は影響されたりしたりして変質していくので、楽しい並列意思達のやりとりが見られるのは2巻と3巻までとなるでしょうか。
地上でも蜘蛛子さんと勇者達の因縁が紡がれる
一方の地上。メインはシュンの学園パートですが、そこにユリウスパートがちょこちょこ出てきます。
この辺で「時差」についてのヒントも出てきていますね。まあ、コミックやアニメで時差をネタバレしてから読んでいるが故ですけど。
例えば、魔王が「迷宮の悪夢」なんじゃないかというやりとりとか、ユリウスの持っていた蜘蛛の糸の首巻きの件とか、地竜の卵の件とか。アニメでは触れてなかった(と思う)「魔王の祝福」についても気になります。
蜘蛛子さんが巣を作った時にスキルアップで作った蜘蛛糸玉が首巻きの元になっていますが、そうするとシュンの誕生(転生)のちょっと前に「私」は誕生(転生)しているのですね。ま、人間の転生者も皆同じ誕生日ではないようですし。
そして魔王が動き出す
2巻から魔王パートも開始。「私」と手を組んだ後の魔王ですね。
黒と白の名前を他の軍団長は誰も知らないようですが、会話に困らないのですかね?まあ、各軍団はそれぞれ独立していて連携もなさそうなので、あまり困らないのかもしれませんけど。
次巻はいよいよエルロー大迷宮支配者の一角、蜘蛛子さんに恐怖を与えた地龍アラバとの対決です。どんどん強くなる蜘蛛子さんがどこまでいくのか楽しみです。いや、先はある程度知っていますけど。
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