ラノベ感想:天才王子の赤字国家再生術4 ~そうだ、売国しよう~
アニメからコミカライズを経て原作を読んだものの、その後は他作品を読んでいてご無沙汰でした。今巻はアニメの8、9話に相当。アニメは次の5巻まで。ところでアニメ2期はないのですかね。
あらすじ
難航するアースワルド帝国の次期皇帝の座。ロウェルミナは3人の皇子をミールタース市に集めて話し合いで皇帝を決める皇子会談を開催することに。同盟国であるナトラにも招待状が来るが、マーデン併合などの諸問題が山積みのウェインは「どうせ決まらない」と参加を辞退する方向で考えていた。しかし、妹であるフラーニャがやる気を見せたことで事態は一変。箱入り娘のフラーニャが外交デビューすることに。
しかし、3人の皇子の思惑もあり、事態は思わぬ方向へ…。
末恐ろしいフラーニャのデビュー
今巻はウェインの出番は抑え気味で、主にフラーニャの活躍を描く妹回。最後はウェインがちゃんと締めますが、序盤から終盤にかけての活躍は目まぐるしいもの。血は争えないというか人材豊富なナトラですが、家臣は一部を除いてあまり優秀ではなさそうなのが問題かも。
フラーニャ、覚醒
兄であるウェイン大好きなフラーニャ。まだそのあたりのきっかけ的な話はなかったような気がします。それもあって、一時、名目上の婚約者となったロウェルミナとは距離を保とうとしていたようですが、ウェインの話で盛り上がってしまうあたりがまだまだ幼いところでしょうか。ま、ロワが意図的にそういう話の持ってき方をしたのでしょうけど。
山場はやはり終盤のアレ。流石にうまくいきすぎな感はありますけど、元々そういう話ですし。流石に3千人で3万人全員は動かせないでしょうけど、三千人の大人を動かせたのなら末恐ろしいくらいです。まだ人柄などの深掘りはされてないですが、今後は少しはされるのでしょうか。ただ、この後の巻はまたウェインがメインになりそうですけど。
帝国大丈夫なのか問題
問題はアースワルド帝国。すでに皇帝が亡くなって久しいのに、次期皇帝が決まらなくても国家運営ができているのだから、それはそれで盤石なのかもしれませんが。しかし、真面目な話、誰がどう決裁をしているのか。皇帝は1代で帝国を気づいたらしいことは書いてあります。つまりは、皇帝が外征しまくって不在でも内政や外交が回るくらいの官僚たちが存在するのか?帝国の政治体制は皇帝がいたんだろうくらいしか分からないのですけど、それなら帝国自体がまだまだ揺らいでいないことも説明がつきそうです。
もっとも別の意味で心配になるのが三人の皇子。彼らがお互いを補い合って帝政を掌握すれば、それはそれでうまくいきそう。ですが、三人が三人とも相手を見下して自分が天下を取ろうという気質の上に、全員が帯に短し襷に長しなのですから。その点では、ロワしか選択肢がない。
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