ラノベ感想:リビルドワールドVI<上> 統治系管理人格

読書,ナフセ,バディ,ライトノベル,リビルドワールド

Kindle Unlimitdの対象がV巻(通算8巻)までだったのでそこまで読んで一休みしていましたが、VI<下>巻(通算10巻)までUnlimited対象になったので、この機会に続きを読み始めました。テレビアニメ化も発表されています。

あらすじ

スラム街の二大派閥間の抗争に巻き込まれたアキラ。そのおかげでハンターランクの調整をする羽目に。その監視役を兼ねる同行者として選ばれたのはユミナ。彼女はカツヤ達との実力差から別行動を取らされていた。早く強くなってまたカツヤと行動したいユミナは、アキラにどうしたら強くなれるのかを訊くのだが…。

都市と企業の思惑で遠い遺跡での活動を押し付けられたアキラだったが、アキラのいるところに騒動は絶えなかった。

増える集団行動、減るアルファの介入

最近、アキラが他の誰かと行動することが多く、その分、不審に思われないためにアルファなしでの行動が増加。そうできるだけアキラが強くなったというのもありますが、成り上がりたい少年と仮想現実の存在によるバディものという物語からはややズレてきている感。まあ、アキラの成長物語としてみれば、ずいぶんとたくましくなって、見ている方もニヤニヤしてしまうほどのアキラの成長っぷりは楽しいのですけど。

アキラがカツヤ化?やはり自信が出てくるとモテるのか?

シェリルの助言もあってか、アルファのサポートに引け目を感じないようになって余裕と貫禄が出てきたのか、アキラの周りに急に女性の影が。まあ、アルファ的には周りにアキラの気を引くような女性が存在するのは(「試行」という目的のためには)喜ばしくないようなのですが。

ユミナはカツヤを一途に思い続けているわけで、そのために強くなろうとしているわけです。が、そのユミナもアルファは危険視しているよう。ユミナとカツヤの関係については、カツヤ側の謎の少女(本ブログでは仮に「ベータ」と呼称)から情報を得ていそうなのですが。それでも危険視するのは、アキラがユミナに好意を寄せることでカツヤとまたもめるのを恐れてか、それとも本格的にユミナをシズカやエレナ、サラたちと同様の脅威と見ているのか。

それはともかく、アルファのサポートなしでも単独でそれなりに戦えるようになってきたアキラのたのもしいこと。それを自分でもある程度納得してからは余裕と貫禄すら感じます。カツヤも似たようなところはあると思いますが、やはりそういう男はモテるのでしょうか。

お坊ちゃん然としていても全てを欲しがるのはハンターのサガ?

そのカツヤですが、恋愛対象としてはシェリルを望む一方、ユミナも仲のよい友人として近くに置いておきたいという感じの独白がありました。ある意味、シェリルのために成り上がるという決意を固めたわけです。それにしても、欲しがりさんですね。

ちなみに、そのカツヤはアキラの戦闘を見ても畏れを感じない稀有な人物です。シカラベやエレナ・サラ、シオリなどの格上組は置いておくとして、アキラと同年代のユミナ、レイナ、トガミなどはアキラの強さを見て自分では敵わないと考えているのに、カツヤに関してはアキラに対する畏れのようなものに関する描写が一切ありません。格上組にしても、(何をしでかすか分からない、ある意味リミッターが吹っ飛んでる)アキラに対しては、あまり戦いたいと思っていないのに、カツヤはそういうのもないよう。ま、シカラベの実力は認めていてもカツヤは自分なら勝てそうとか考えてそうですけど。当然、アキラにも勝てるつもりなのでしょう。

ただ、ここのところ特に強くなった感のあるアキラと比べると、最近は別の都市に遠征してたりするため戦闘描写が少ないカツヤの強さがいまいち分かりません。先日の共闘の際なら割と同レベル程度という感じもありましたが、最近はアキラがだいぶ成長しましたから。カツヤも当然支援システム込みで強くなっているのでしょうが、個人としての戦闘という点ではどうなのかが気になります。

しかし、カツヤはなぜシェリルに執着するのでしょうね。「ベータ」はカツヤに表立って介入できないのでだいぶシェリルを危険視していますし、それはアルファも同様。そのうち、アルファと「ベータ」が結託してシェリル相手に何かしでかしそうで心配です。

他にエレンとサラとの関係もあるので、どうしてもどこかでアキラとカツヤはぶつかることになりそうです。

シェリルもついに都市の幹部と交渉する立場に

ハンターとして成り上がるのがアキラとカツヤなら、徒党のボスとして(アキラと釣り合う立場になるために)成り上がろうとしているシェリル。ヴィオラの画策もあって、ついに都市の幹部と交渉する立場に。ヴィオラの裏情報もあったのか、相手の欲しいものを的確に判断して、見事に都市の有力者とのパーティへ。

後半は遺跡での話がメインでシェリルの出番がなくなってしまいましたが、彼女もまたユミナの登場で焦りを感じて、ますます成り上がろうとしています。まあ、肝心のアキラはあまり振り返ってはくれないのですが。

その辺、アキラの考えはどうなっているのか。シズカ、エレナ、サラはアキラより年上で姉みたいなもの、ユミナは同じハンター稼業で同年代でもあるので同級生というような感覚なのでしょうか。一方、シェリルはその行きがかり上、どうしても保護対象の妹的な立ち位置になり、あまり恋愛対象にはならない感じなのかも。その辺りは、カツヤから見たユミナに近い気もします。アルファは心配しているようなユミナについても、恋愛対象というよりは気のおけない友人みたいな感じですけど。

管理人格の目論み

今回、敵なのかよくわかりませんが、旧世界の管理人格(AI)である「ツバキ」が登場。前に工場を管理するAI的なものが登場しましたが、それのさらに上位の存在のよう。

今回、ある騒動を起こし、それにアキラたちが巻き込まれることになりますが、VI<上>巻時点ではその目的は不明。本作はこういう思わせぶりな存在が多いですね。都市の上層部らしいヤナギサワや、建国主義者など。さらには自動人形まで登場。アキラはまた巻き込まれていくのでしょう。

今後の展開

次のVI<下>巻(通算10巻)で一つの区切りがつきそうです。VI<上>巻(通算9巻)の紹介記事のラストでも「シリーズ前半戦、クライマックス」とありますので。とりあえず、Unlimited対象はそこまでなので、続けてVI<下>巻を読み始めました。その先はまだUnlimited対象ではないので、他のシリーズを読む予定です。

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既刊感想

参考までに、過去の駄文の一覧はこちら。