ラノベ感想:リビルドワールドIII <下> 賞金首討伐の誘い

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Kindle Unlimitdの対象がV巻(通算8巻)までとなったので以前の続きを読み始めて通算6巻のIII<下>まで来ました。5月の読書もリビルドワールドの続きから。

あらすじ

ヨノズカ遺跡の激戦から生還したものの、遺跡の存在はすっかり知れ渡ることに。さらに集まったモンスターがお互いを食い合った結果、多額の賞金がかけられた「賞金首」モンスターが4体も発生。しばらく、遺跡探索を中断していたアキラの元にドランカムのシカラベから賞金首討伐の誘いが届く。

一方、ドランカム事務派閥のミズハもカツヤたち若手の実力アピールのために賞金首の討伐に乗り出す。カツヤを隊長として若手だけの討伐チームを組んで賞金首を倒すことで、その実力をアピールしようとする。そんな派閥争いにも巻き込まれたアキラは再びカツヤと遭遇。そこにシェリルやユミナたちも巻き込まれていく…。

覚醒の時?アキラもカツヤも一皮むける

アキラとカツヤも相性が悪いですが、それぞれの契約者であるアルファと謎の少女(名前がないと呼びにくいので、本記事ではとりあえず「ベータ」と呼称)も相性が悪そうです。もっとも「ベータ」は少々天然っぽい感じもしますが。

今回の賞金首討伐でカツヤも吹っ切れたというか一皮剥けましたが、アキラもアルファとの接続切れで豹変。お互いに覚醒した感じ。まだまだこの二人の絡みは続きそう。

複雑化する人間関係

カツヤはシェリルと出会い、何やら一目惚れでもしたような感じ。一方、カツヤ一筋かと思われたユミナもなんとなくアキラが気になるよう。天然たらしのカツヤは「自分のもの」と思ってるユミナがアキラに近づくのは面白くないと感じそう。一方、アキラにとってはシェリルにカツヤが近づくのもこれまた不機嫌になりそう。というわけで、アキラとカツヤの火種はますます増える一方。

もっともシェリルは利用する気満々で情報を聞き出すために良い顔をしているだけなのですが。いや、女性は怖いですね。あれだけ煽てた後の本心は正直引きました。もっとも、カツヤの謎能力で一瞬カツヤに惹かれかけたことへの無意識の反発もあるのかも。

女たらし改め人たらしカツヤ?

特に女性に効果覿面なカツヤのたらし能力。ただ、元々そうなのか、パワーアップしたのか、女性限定ではない様子。元々、ドランカムの若手A班でのカツヤ人気は高かったようなので、そもそも性別は関係ないのかもしれません。

今巻では最後の方でシェリルの徒党の幹部であるエリオがカツヤ病に罹患。その後、シェリルの圧で正気に戻った感じですが、本気で「カツヤならなんとかできる」とまったくの善意でシェリルに提案する有様。これが良い方向に働く分には良いのですが、賞金首討伐での犠牲を考えると、当人にも周囲にも悪影響がありそう。

また、当初はお飾り隊長だったカツヤが賞金首戦で全員にむけて放った一言。明らかに空気が変わり、ドランカムの若手たちだけでなく、雇われてサポートしていたベテランたちの動きまで一変させます。一体、どんだけのたらしなんでしょう。

前巻の感想でも書きましたが、これはカツヤの力なのでしょうか。それとも「ベータ」の力なのでしょうか。

特にその気は無かったのに結果的にカツヤを助けたことになるシェリル。そのシーンの最後で「ベータ」はシェリルによって気持ちを切り替えたカツヤに対して「余計なこと」と判断しています。「ベータ」的にはカツヤが周囲の人物との絆を優先させることは「余計なこと」のよう。それはアルファも同じで、アキラが明らかに身内枠に入れているサラやエレナ、シズカやシェリルなどを警戒しています。「夢」の中の過去の試行の中でも、そのような人間関係から試行対象がアルファたちの目的から外れてしまうことが何度もあった様。アルファは警戒しながらもカツヤにある程度の自由意志を認めている(「契約」上、認めざる得ない?)様ですが、「ベータ」はかなり不満な様子。

そうするとカツヤのたらし能力は「ベータ」にとってはあまり歓迎できるものではない気も。となるとカツヤが持って生まれた力の様にも見えますが…。アキラの本質をなんとなく「勘」で察しているシカラベから「実力は認める」と言われつつも嫌われているのも、カツヤの力が関係しているのかも。

なんだかんだでアキラもモテモテ

カツヤほど誰も彼も惹きつけるほどではないですが、アキラも結構モテますよね。さすが、ラノベの主人公。シェリルはもちろんのこと、結果的に命を救われたエレナとサラもそれなりにアキラに好意を持ってますし、シズカも自分で入れ込みすぎと気付きながらもアキラを意識しています。まあ、必ずしも現時点で恋愛感情とも言い切れない感じですけど。

カツヤ一筋かと思われたユミナですら、男女としてとは言えない感じですがタイプの違うアキラにやや興味を示している感じもあります。周囲の男性陣、特にハンターや徒党の関係者からは「弱く見える」アキラですが、女性からすると母性をくすぐられるのでしょうか。

第3の主人公?シェリル

本作の主人公はもちろんアキラ。スラムに生まれたアキラがアルファと出会ったことでハンターとして成り上がる物語…と見えます。そのアキラと対称的でライバルであり、もう一人の主人公枠がカツヤ。アキラと激突しながらも、賞金首戦ではアルファや「ベータ」の思惑を超えてアキラを指名し、アキラもそれに答えました。

そんな二人と関係を持ち、アキラ同様スラムあがりながら徐々に才能を伸ばしつつあるのがシェリル。アキラやカツヤが程度の差こそあれアルファたちのサポートを受けての成長であるのに対し、彼女は自力ですからある意味天才かも。それもまあ、アキラの無茶のせいで吹っ切れたとも言えますが、覚悟だけの問題でもありませんし。実はシェリルの成り上がり物語も期待していたりします。

なお、正直カツヤは…。いや、いい奴だと思うし、ドランカムの若手の一員の立場だったら惹かれるかもしれません。ただ、物語の最初からアキラを見てきた上で、自分もどっちかというとアキラ寄りと考えてしまうため、どうもカツヤってあまり好きにはなれないのです。何んででしょうね。カツヤがモテるからと言っても、ラノベでは彼みたいにモテるキャラは普通に居ますし。やはり、アキラへの思い入れのあまり、彼と対称的に描かれるカツヤに反感を持ってしまうのでしょうか。

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2023-07-25読書SF,ナフセ,バディ,ライトノベル,リビルドワールド

Posted by woinary