ラノベ感想:処刑少女の生きる道8-フォール・ダウン-

読書,ライトノベル,佐藤真登,異世界

あとがきにもありますが、アニメ放送開始から1年経ったとのこと。2022年4月から6月まで放送されたアニメに合わせて前巻が出たのが2022年4月。だんだん刊行ペースが開いてきてます。

ちなみに、同じ作者のMF文庫J「全肯定奴隷少女: 1回10分1000リン」の元になっている「小説家になろう」版を毎日ちょっとだけ読んでます。こちらは1巻しか出てませんが、「なろう」の方は現在も連載が続いてます。

あらすじ

ミシェルから逃れて『遺跡街』へ到着したメノウ一行。情報収集を進めていた彼女たちは、ひと足先に最強のテロリスト、ゲノム一派が『遺跡街』を拠点としていることを知る。後ろにはミシェル、前にはゲノムという状況で、先へ進むことにしたメノウ一行の前に、自称天才美少女「ノノちゃん」が現れる。ゲノムの目的は、そして万魔殿(パンデモニウム)の思惑は…

天井都市は落ちてくるのが運命

山場の攻防シーン、なんとなく最初の「宇宙戦艦ヤマト」でのガミラス星の最後を思い出してしまいました。天井都市はやはり最後は落ちるものですね。

知らぬは本人ばかりなり

ネタバレ関係は書かないのではっきりと書きませんが、メノウの知らぬところで色々動いているよう。これはこの話が始まった頃から変わらない部分。アカリの力を間接的につかえることで強くなったメノウですが、今回登場したあれやこれやな人たちと比べると、やはり力の差は歴然。味方側にも人外の力をもつメンバーが入っているとは言え、相変わらず絶望的な彼我の戦力差です。

前の旅では違和感をかんじることもできたのですが、今回はアカリの力の影響で記憶を無くしていく状況。違和感にも気付かず、読者はただハラハラと見守るばかり。

あるいは、知ってしまえば絶望しか残らないので、記憶が失われていくというのも前へ進む力となるのかもしれません。人間は悲しいことやらなにやら忘れることで前へ進むことができるわけで。

謎の天才美少女

最後の最後で正体が明かされるので、これまた詳しいことは書けません。が、ある意味これまた人外ですね。具体的にどれという記憶はないですが、たまにこういうシチュエーションのキャラが登場する作品はあった気がしますが、今回はもう何言ってるんだかわからないという感じです。ある意味、人災(ヒューマンエラー)たちの中でも異質にして最強かもしれません。

書ける範囲のことを書くと、マヤとノノのやりとりは良い感じでした。自分が異世界人であるという疎外感から少しは救われたのではないでしょうか…。アニメではクライマックスで派手に戦った万魔殿(パンデモニウム)の小指とこんな関係になるとは、あの頃は夢にも思いませんでした。

今後

ところどころ現れては意味深なセリフを呟いていくモモもミシェルたちと合流し、次巻は対決になるのでしょうか。落とし所がなさそうな話がどう落ちるのか気になるところ。

メノウたちはとりあえず当面の目標を果たしましたが、次の一手はとくに描かれなかったので、次巻待ち。今の刊行ペースだと次巻は9月から来年4月くらいまでには出るでしょうか。

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既刊感想